研究課題/領域番号 |
25282108
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研究機関 | 特定非営利活動法人国際レスキューシステム研究機構 |
研究代表者 |
小林 滋 特定非営利活動法人国際レスキューシステム研究機構, その他部局等, 教授 (10205461)
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研究分担者 |
松野 文俊 特定非営利活動法人国際レスキューシステム研究機構, その他部局等, 教授 (00190489)
高森 年 特定非営利活動法人国際レスキューシステム研究機構, その他部局等, 名誉教授 (10031098)
前田 弘文 弓削商船高等専門学校, その他部局等, 助教 (10541930)
横小路 泰義 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30202394)
根 和幸 特定非営利活動法人国際レスキューシステム研究機構, その他部局等, 助教 (80614297) [辞退]
大坪 義一 近畿大学, 理工学部, 准教授 (90257973)
黒住 亮太 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (90457333)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 災害探査 / 群ロボット / 半自律 / 遠隔操作 / 協調動作 |
研究実績の概要 |
研究目標の一つに、仕様や性能が異なり、ひいてはその個々のロボットの制御を行っているオペレーションシステム自体も異なる複数台の小型レスキューロボットを統合して、群制御や協調動作を遠隔制御にて実施することである。これについては3大学2高専1機関という大学間連携による研究開発体制にて、各機関が独自に持っているこれまでのロボット等の資産やのシステムを活かしつつ、全体の統合システムを作っていくために、H25年の本研究開始時はOpenRTM-istを用いて開発していたが、平成26年途中から世界標準であるROS(ロボットオペレーションシステム)に変更して、より汎用性のあるシステムにすべく開発を進めている。またこの統合システム上で動く群制御方法として、群ロボットを構成する1台のロボットからは構成するロボット達すべての位置分かっていないが、周囲近傍の見えている範囲にあるロボットの相対位置は分かっている場合において、1台の親機をオペレーターが操縦するだけで、他のロボットは障害物や互いのロボットにぶつからず親機に追尾していくロボット誘導アルゴリズムを開発した。またこのロボット間の個体認識と、その相対位置やを姿勢を、小型ロボットという制約条件下で、より精度よく測定するために、小さくコンパクトな単眼カメラ画像による群ロボット相対位置計測システムを開発した。 次に複数台の小型ロボットにて探索活動時に実施する協調動作に用いる高性能な共通マニピュレータシステムを製作、より多様な探査域環境にも対応できる計測制御も含めた使いやすいモジュール化したシステムへと改良を進めている。またこのマニピュレータ操作時にて制御動作に遅延等発生する場合でも安定して動作できるようにバイラテラル制御も開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大学間連携プロジェクトのために、既に個々の機関がこれまでの研究プロジェクトを通して開発し保有しているロボット関連ハードウエア資産を用いて、しかもその得意分野を生かし、またより発展させるために、その全体システムをどのように構築し統合をはかるかが大きな課題であった。本プロジェクト開始頭書はシステムの統一したオペレーションシステムをOpenRTM-istとして出発し開発を進めていたが、これら各大学および世界各地で開発している最先端の成果を取り入れ、また反対に素早く発信するために、世界標準であるROS(ロボットオペレーションシステム)に変更した。各機関はそのためにシステムのモジュール化構成の変更やそのプログラムコーディングに時間を要し、ロスが生じたが、今後はこの変更により、世界的に進行している研究成果のとりいれ、発信がよりスムーズに行うことが期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、現在、統合システムのROS化変更により各機関で取り組んでいるロボットシステムの改良を促進するとともに、各ロボットにマッチングして性能を発揮できるように改良を加えている共通マニピュレータも完成、量産化を行い各機関に配備、また単眼カメラによる計測制度の向上とロバスト化を進め、群ロボットや協調動作実験にて、実証的に開発を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究に用いるロボット自体は、これまで他のプロジェクトで開発してきた資産を用いているので基本ハード部分には開発費用は発生しないが、今回のプロジェクトの目的である複数台のロボットによる群行動システムやそれを用いた協調動作を実現するため追加や改良のシステムについてハードやソフト開発費が生じている。特に3大学2高専1機関にて連携研究を行っているので、各機関所有の各1台のロボットに搭載するためには、システムも最低5セット用意する必要がある。まず1セットプロトタイプをつくり、改良を重ねて開発してきた。それを複数セットに量産化して進める必要があり、この量産化と各システムへのマッチング改良のための費用が次年度使用額である。
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次年度使用額の使用計画 |
使用を計画しているのは、まず共通マニピュレータの量産化、遠隔地からの有線Lan,無線Lanを経由して操作するためのバイラテラル制御システム構築、群ロボットにおけるロボット認識と相対位置計測を行う単眼カメラによる画像処理システムのロバスト化改良、および親ロボットによる群ロボットの誘導システムの改良等の統合システムの改良開発とその実証実験である。
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