研究課題/領域番号 |
25282124
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
中川 公一 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (00244393)
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研究分担者 |
澤村 大輔 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60196334)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 生体計測 / 生体情報 / 電子スピン共鳴 / 皮膚科学 / イメージング |
研究概要 |
電子スピン共鳴(ESR)の画像法と解析を進展させる手始めとして、表面検出による識別を利用した測定で二次元画像法に着目した。このための表面測定用空洞共振器と固定用の台座などを新たに考案し特別注文した。二次元画像データを得るための二次元用の勾配用電源2台を新たに購入した。また、データ処理を円滑に行うソフトでコントロールするためのLabViewを購入し、このソフト利用の講習会に参加した。 次に、現在試作を行っているESRイメージング装置の分解能を調べるため、模擬(ファントム)試料を用いた2次元(スペクトル-空間)イメージング測定および画像化へのデータ処理を試みている。模擬試料としては、安定ラジカルである lithium phthalocyanine (LiPC)を使用した。また、画像処理用ソフトで観測データをスペクトル-空間の2次元画像とする試みを検討中である。 これらと並行して、これまで行っている皮膚試料の測定も行っている。また、皮膚試料の2次元(スペクトル-空間)測定も進めている。更に、分担者から提供のあった皮膚疾患に対する薬剤の効果を測定し、解析および検証中である。これらの一部の研究成果は、学術論文として投稿を考えている。 更に、ESRイメージング法のファントム試料以外の応用測定を試みている。身近にある食品の中には、不対電子をもつ遷移金属・加熱処理・放射線による滅菌処理などで生じた安定ラジカルを含むものがあり、ESRイメージング法の応用測定の対象になるものがある。例として、9 GHz(X-バンド)の~4 mmサイズの試料を選定した。また、試料に磁場勾配を掛けて測定し画像化を試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
皮膚計測と画像関連の研究での主な理由は、以下の通りである。 (1) 新しい表面検出用空洞共振器が完成していない。 (2) データ処理プログラムがまだ十分でない。 以上のことから、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
ESRイメージング法による皮膚の応用計測と模擬試料の画像化でおおよその目標は達成できたが、さらに、いろいろな試料のイメージング測定を行い実験と解析精度の向上を目指す。今後の研究方針としては、 (1) 新しい表面検出用空洞共振器による測定を目指す。 (2) イメージングの測定技術の向上を目指す。 (3) データの画像化の技術と画像の解像度を上げるよう努める。 また、これまでの結果を踏まえ、より多くの試料を測定しESRイメージングの応用範囲を高めるようにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
特別注文による表面検出ユニットの発注および製作に要する部品調達の遅れなどにより製造が年度内に間に合わなかった。 再度、速やかに発注をし、できるだけ早い段階で表面検出ユニットの製造と完成を依頼する。
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