| 研究課題/領域番号 |
25282126
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| 研究機関 | 東北大学 |
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研究代表者 |
白石 泰之 東北大学, 加齢医学研究所, 准教授 (00329137)
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| 研究分担者 |
三浦 英和 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (50451894)
山家 智之 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (70241578)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| キーワード | 先天性心疾患 / 人工心筋 / 形状記憶合金線維 / マイクロマシン / 循環器・高血圧 |
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| 研究実績の概要 |
重症心不全患者に対しては、心臓移植や補助人工心臓による血液循環維持の手段しかないが、とくに小児の移植臓器のドナー不足は深刻な問題であり、また現時点で利用することのできる植込型補助人工心臓は体格の小さな患者にとっては大きすぎる。申請者らは、先天性心疾患を含む重症心不全患者に対するメタコンセプトは、機能低下した右心ポンプ機能の心筋収縮を代替することによって達成されると考え、高度に生体と協働する機能を持った人工心筋システムを考案するに至った。先天性心疾患患者に対してもさらに応用するためには、ナノテク技術を応用した人工心筋開発プラットフォームの創生が必要となる。本研究では、極細ナノテク技術を応用したアクチュエータ線維で駆動し、必要な血液循環の拍動を生成し、先天性心疾患患者でも適応可能な人工心筋サポートシステム基盤技術を確立し、ワンストップ型の超小型の埋込型人工心筋システム開発プラットフォームを実現する。
昨年度のFontan循環を人工血管の外側から力学的にサポートするデバイス開発基盤を基に、本年度は同システムの制御系の確立と動物実験での下大静脈-肺動脈バイパスモデルにおいて装着と植込み、および血行力学的有効性の評価を進めた。また、ベルト型システムの小型化要素効率化を進めた。結果概要として、Fontan循環補助装置については遠心型血液ポンプを用いた左心脱血-下行大動脈送血の補助循環モデル動物において、下大静脈-肺動脈バイパスによる部分右心循環補助の拍動性効果を検討し、デバイス収縮による下大静脈-肺動脈流入の流量に対して拍動性を付与することが可能であることが示された。また、小型成犬を用いた右心室補助ベルト型システムの血行動態評価を行い、狭小胸郭内でのこれまでの成人患者に対するデバイス設計と同等性能を有するベルト型システムの血行力学的有効性を確認しつつある。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小型人工心筋システムを応用した小児用循環補助システム開発のために本年度実施した動物実験評価は、体重30kgの小型山羊を用いた左心補助循環下での下大静脈-肺動脈バイパスによる模擬的部分Fontan循環によるものと、心不全モデルとして作成した小型成犬（体重15kg）によるものである。これらは対象動物モデルの体重と種別は現在臨床で植込型補助人工心臓の適応が困難な循環動態スケールモデルであり、本年度開発を進めた人工心筋システム応用によるFontan循環拍動装置および人工心筋ベルト装置のいずれもシステム駆動による血行力学的変化を得られ、システムアクチュエータとして用いた極細形状記憶合金線維を応用する有用性が確認できた。多様な病態を生じる先天性心疾患患者に人工心筋システム基盤技術を応用するための試みとして、本研究初年度に計画した能動的拍動生成システムだけではなく、一部を循環動態に見合うように受動的な駆動要素を含む能動的拍動を可能とするFontan型システムを新たに考案し基礎検討を開始した。これらの技術と発想は、本研究課題のプラットフォーム創生基盤によるものであり、したがってこれらの成果を鑑み、順調に伸展していると考えている。
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| 今後の研究の推進方策 |
本年度の研究成果から、小児用循環補助システム開発研究における高出力超小型アクチュエータの必要性と構造設計基盤の重要性が明らかとなった。とくにFontan循環用の拍動性成システムでは人工血管の外側に装着し、補助人工心臓での血液との直接接触に起因する血液適合性の問題は実臨床応用において、また実用化に向けた前臨床試験および臨床治験での障壁とならない利点をおいても、アクチュエータの制御性と小児用循環補助に特化した構造設計に関してさらなる改善が必要と考えられ、今後は血行力学的な小児循環の再現と右心系-肺循環モデルの血行力学的シミュレーションを融合して進める予定としている。また動物実験に関しても一部改良を進めた人工心筋アクチュエータと、特許申請を行った受動性を有する能動的循環補助支援システムについても研究発表を行ってゆく予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
循環動態の計測制御用として配備予定であったシステムと整合する計画であった実験機器本体の不具合が生じ、新規導入と計測制御の設備配備計画に一部変更が生じたため導入予定を次年度へ持ち越すこととなった。なお、実験計画については、他の予算措置により計画に則って計測系の整備を進めることができたことから、循環補助システム開発と評価の計画については遅延はない。
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| 次年度使用額の使用計画 |
埋め込み長期実験に向けて専用循環動態モニタの配置準備を予定しており、また、併せて能動制御用センサの制御解析系と動態解析系を導入予定である。前臨床試験のひとつとしてシミュレーション装置（設計済）の用意をあわせて予定している。
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