研究課題
小児の重症心不全治療に対しては、現在のところ心臓移植のほかに長期循環補助を実現する代替手段はない。本研究では、ナノテク形状記憶合金線維を応用することで、小児の重症心不全治療にも適用できる超小型の埋込型人工心筋システム開発プラットフォームを創成する。極細ナノテク材料を使用したアクチュエータ線維で駆動し、必要な血液循環の拍動を生成し、循環を血行力学的に補助する構造で、心臓の外面に装着され、血液との直接接触がなく“必要なときに必要なだけ”循環を補助するため溶血、血栓形成の問題もない。先天性心疾患患者でも適応可能な人工心筋サポートシステム基盤技術を確立する。本研究では、ナノテク形状記憶合金線維を応用して、小児の重症心不全治療において右心系に必要な血液循環を力学的にサポートする超小型の埋込型人工心筋装置を開発することを目的とした。これは、心臓の外面に装着され、Fontan循環を構成する静脈-肺動脈間の心外導管人工血管を外部から力学的に収縮補助し、蠕動的に拍動流を生成する。従来の人工心臓などのように血栓の危険もなく、人工弁などの耐久性の問題もない。研究の成果概要として、健常成山羊における左室補助循環下での下大静脈肺動脈バイパスモデルにおいて、形状記憶合金線維を用いた心外導管装着型デバイスの開発に加え、長期Fontan術後の予後を改善しうる心外導管装着型能動クリップ(特許申請)開発設計を行った。さらに、右心人工心筋補助に伴う肺循環-心機能の血行力学的検討を心室壁虚血心不全モデルを用いて実施し、右室収縮に伴う血液拍出機能の改善がもたらす左室拡張期への影響の基礎検討を行った。いずれの埋込型人工心筋アクチュエーションシステムも、本研究であわせて開発した小児循環にも対応するFontan循環の血液循環シミュレーション回路において非臨床試験評価に基づいてさらなる性能改善が行いうることが示唆された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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