間葉系幹細胞(MSC)をナノ基板上およびコラーゲンナノ線維上で生成し,nano-SATおよびfiber-SATを生成した.両SATともに線維配向度,線維強化度の高い生体由来材料であり,通常SATに比べ,破断強度と剛性が増大した.ついで,両SATをウサギ大腿骨荷重部軟骨欠損部に他家移植しところ,3ヶ月後において,両材料ともタイプIIコラーゲンの生成を伴う良性の軟骨修復を示した.特に,ナノ線維SATによる修復組織は低い摩擦係数を示し,個体間のバラツキも少なかった.ナノ線維SATによるラット膝蓋腱の修復の追加検討でも,形態学的,力学的に良好な修復経過が観察された.
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