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2013 年度 実績報告書

分子運動性による吸着タンパク質の変性抑制・配向制御に基づいた細胞生育環境の構築

研究課題

研究課題/領域番号 25282142
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

由井 伸彦  東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70182665)

研究分担者 徐 知勲  東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (20611544)
田村 篤志  東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (80631150)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードポリロタキサン / RAFT / ブロック共重合体 / 超分子
研究概要

分子運動性を広い範囲で制御できるポリマー表面の構築のため、表面固定化が可能なポリロタキサン・ブロック共重合体の合成条件の検討を行った。ポリロタキサンは環状糖分子であるシクロデキストリン(CD)が線状高分子であるポリエチレングリコール(PEG)に貫通されている分子ネックレス構造を有する超分子の一種であり、CDの貫通数を調節することで分子運動性を制御することができる。このようなポリロタキサンを材料表面に安定に固定化するためには表面アンカーリンググループを両末端に導入する必要があり、そのため可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)剤の導入が可能な新規キャッピング材の合成ルートを確立した。さらに分子運動性の制御のため、シクロデキストリンの貫通率が異なる種々のポリロタキサンを、予め合成したRAFT剤入りのキャッピング剤を用いて合成することに成功した。その後、各々のRAFT剤キャッピングのポリロタキサンを利用し、材料表面に安定に固定化可能なアンカーリンググループの導入条件の検討も行った。今年度の研究では汎用性金属材料表面と電気的相互作用で固定化できるポリロタキサンの合成に集中してきた。具体的にはポリロタキサンと2-アミノエチルメタクリレートを共重合させ、陽電荷をもつポリロタキサンブロック共重合体の合成に成功した。さらに重合条件の検討を行い、陽電荷の導入率が異なる様々な組成のポリロタキサンの合成にも成功している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初初年度の研究計画として表面アンカーリンググループを有したポリロタキサンブロック共重合体の合成ルート確立を設定しており、現段階でその合成ルートが確保されたことからおおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

ポリロタキサン表面上でのタンパク質の吸着挙動を調べるためにはまずポリロタキサン表面にタンパク質の吸着特性を付与する必要がある。本研究では疎水性相互作用を利用しタンパク質の非特異的吸着を誘発させ、分子運動性の異なるポリロタキサン表面でのタンパク質の吸着特性について調べる予定である。まずは合成したポリロタキサンに疎水性官能基であるブチル基及びメチル基を導入し、それぞれの官能基の導入率を調節することでポリロタキサンの分子運動性に加え材料表面の疎水性の制御を行う予定である。具体的にはヨード化メタンと水を利用した表面自由エネルギーの算出とQCM-D測定による表面分子運動性を評価する予定である。その後ポリロタキサン表面でのタンパク質の吸着をSPR測定を通じて定量的に解析していくと同時に、QCM-Dによるタンパク質の吸着状態評価を通じてタンパク質とポリロタキサン表面との相互作用を解析する予定である。

次年度の研究費の使用計画

QCM-Dのセンサー購入に予算を使用する予定だったが、合成ルート確保に集中したためセンサーの購入を次の年度に保留した。
QCM-Dのセンサー購入

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 図書 (1件)

  • [図書] Biointerfaces: Where Material Meets Biology2014

    • 著者名/発表者名
      Ji-Hun Seo, Nobuhiko Yui
    • 総ページ数
      13
    • 出版者
      Royal Society of Chemistry

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公開日: 2015-05-28  

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