その溶液を体温へと加温するとゾル状態からゲルへと転移する,生分解性インジェクタブルポリマー(IP)はDDSや再生医療等への応用が期待されている。本研究では,凍結乾燥による粉末化が可能で,瞬時に溶解でき臨床現場での用時調製が容易な生分解性IPシステムを開発し,それを用いてタンパク質の徐法製剤を開発した。また、これまでの温度応答性IPシステムでは、体内注入後のゲルが高度に湿潤な環境下ではゾルに戻ってしまうという問題があり、これを解決するため、温度に応答してゲル化したのちに化学架橋が進行して不可逆的なゲルを形成し、水溶液中に放置しても長時間ゲル状態を維持するIPシステムを開発することに成功した。
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