研究課題
これまでにSPECTを用いて478keVの即発ガンマ線を画像化する手法は研究されてきたが、BNCTの照射場のガンマ線のバックグランドが高いため、実現に至っていない。解決すべき課題は(a)消滅ガンマ線である511keVガンマ線の除去(b)水素の即発ガンマ線2222keV及び構造体からのガンマ線のコンプトン散乱によるバックグランドガンマ線の除去(c)放射線損傷のため半導体検出器を使用できないこと、(d)光電子増倍管はシンチレータに密着することが出来ないことである。平成25年度~平成27年度で上記課題を克服可能なシステムを構築した。(a) 511keVのガンマ線を除去するために、サンプルに対して180度方向に検出器を設置し、アンチコインシデンスによって除去するシステムを構築した。(b)2222keV 及び構造体からのガンマ線の除去にはLaBr3シンチレータの周りにシンチレータを設置したホスウィッチ型の構造とした。(c)高エネルギー分解能、信号の減衰時間が短いLaBr3をシンチレータとして採用した。(d)石英光ファイバーを用いてシンチレーション光を光電子増倍管へ導く構造とした。それぞれのチャンネルに置いてエネルギースペクトルを取得することができる。平成28年度にはシステムの高度化として、十分な遮蔽を設置することで、(d)の光ファイバーは必要ないことを確認することができた。また、シンチレータのサイズを光電子増倍管の光電面よりも小さいサイズにすることで、LaBr3シンチレータを用いて511keVのガンマ線をエネルギー分解能4%で測定できることを確認することができた。ホウ素からの即発ガンマ線478keVを511keVと弁別して二次元で測定できることを確認し、検出器を回転させることで、3次元の画像を取得可能なシステムを構築することができた。今後は本システムを臨床研究に適応する予定である。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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BMC Cancer
巻: 16 ページ: -
10.1186/s12885-016-2913-x