研究課題/領域番号 |
25282161
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
山本 紳一郎 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (30327762)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 医療・福祉 / リハビリテーション / 神経科学 / 脊髄損傷 / 脳卒中片麻痺 |
研究実績の概要 |
平成25~27年度の研究成果によって,これまでの試作機をもとにした開発コンセプトに適合したハード,ソフトの両面での開発を進めてきた. ハード面では,装具部,免荷部およびアクチュエータであるマッキベン型人工筋の再設計に着手し,様々な試作をすることができた.装具部は,二関節筋の作働範囲において,関節の運動として機能しない特異点がいくつか存在し,充分に二関節筋の性能を発揮できる装具フレームを設計できていなかったが,この点を克服する二関節筋モデルに適した装具フレームの再設計を進め,製作することができた.しかしながら,動作を評価した結果,一部の人工筋が他の人工筋と接触し,動作を妨げる問題点が見つかった.平成28年度にはその問題点を克服する必要がある.免荷部は,カウンターウェイト方式を用いていたが,身体重心の上下動による慣性が問題だったため,人工筋をアクチュエータとする免荷部を設計し,新たな免荷部を製作し,従来のカウンターウェイト方式の免荷部と比較検討しているところである. ソフト面として,これらの装具部および免荷部の制御系の検討を進めてきた.主として位置制御フィードバック系の設計であったが,27年度夏期にトレッドミルの不具合が発生し,修理に時間がかかり,計画通りの進捗は得られなかった.さらに力制御フィードバックの導入も検討する予定であったが,平成28年度の検討課題となった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
装具部の改良は予定通り達成されたが,概要に記したとおり,一部改良が必要となることがわかった.また,トレッドミルの故障により,制御部の開発も遅れが生じた.したがって,全体として「やや遅れている」と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定では,最終的に水中歩行訓練の実現に向けて,検討を進める予定であったが,陸上システム開発の進捗が思わしくないため,水中歩行訓練システムへの応用は断念し,陸上システムの完成を最終年度である平成28年度の目標としたい.なお,完成した陸上システムを用いて,健常者だけでなく高齢者や障がい者にも試行したい.本学の倫理審査委員会に申請中である.
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次年度使用額が生じた理由 |
免荷部と装具部の開発がやや遅れており,またトレッドミルの故障による制御部の大幅な開発の遅れにより,当初予定していた物品費や成果発表(旅費)の支出が少なかったことが理由としてあげられる.
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次年度使用額の使用計画 |
故障したトレッドミルは,なんとか修理できたものの保守に問題が発覚したため,もう修理できない状況にあり,また大幅な制御系の開発の遅れが生じる危惧がある.そのため,業者が格安に譲ってくれることとなったため,繰り越した費用で新たなトレッドミルの導入を検討している.きちんと完成し,評価実験も実施できれば,研究成果発表の機会も増えることとなり,物品費や旅費の支出が増大する見込みである.
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