研究課題/領域番号 |
25282164
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 常葉大学 |
研究代表者 |
筒井 祥博 常葉大学, 保健医療学部, 教授 (50073135)
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研究分担者 |
縣 信秀 常葉大学, 保健医療学部, 助教 (00549313)
外村 和也 浜松医科大学, 医学部, 助教 (90436965)
熊田 竜郎 常葉大学, 保健医療学部, 教授 (00402339)
梅村 和夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (40232912)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | リハビリテーション / 脳梗塞 / 神経発生 |
研究概要 |
近年、成体脳においても脳室上衣下層 (SVZ)や海馬歯状回果粒層 (SGZ)から神経発生が生ずることが明らかになってきた。一方、脳梗塞が運動によってその回復が促進されることが知られている。そこで本研究は、実験的脳梗塞のモデルを用いて、運動負荷が脳梗塞の回復過程に如何に影響をあたえるか、その細胞組織学的基盤を明らかにすることを目的とした。 まず我々は、大脳半球に広範な梗塞巣を持つモデル動物では新たに惹起される現象の機序解明には有効であるが、特定の領野ごとに役割分担する大脳皮質ではどの領域の神経回路網再建が機能回復に貢献したのかについては分からないため、一次運動野を含む頭頂部(運動皮質)に梗塞巣が限局するモデル動物を確立し、その運動機能評価と新生神経幹細胞の分布について調査した。8週齢のWistar系雄ラットを3つの群(脳梗塞・運動群、脳梗塞・非運動群、非脳梗塞群)に分けてプレトレーニングを実施後、実験群に対して光化学刺激による中大脳動脈血栓により実験的脳梗塞を引き起こした。術後翌日から運動群についてはトレッドミルによる運動負荷を1日1回30分行った。運動評価はローターロッド試験により行った。また、脳梗塞や運動負荷と神経(幹)細胞の新生の関係について調査するため、BrdUを術後1週間腹腔内に投与後、実験終了時に免疫組織化学的に脳内のBrdU陽性細胞の分布を観察した。その結果、大脳皮質頭頂部(運動皮質部)に限局した梗塞巣を持つモデル動物を新たに確立することが出来た。この動物は四肢の単麻痺、あるいは片麻痺に相当する所見を呈するが、時間経過と共に回復していく様子が認められた。一方、回復の度合いを解析するためには、より適切な運動評価系を検討する必要があることが分かった。また、本モデル動物でも新規神経(幹)細胞が産生されることが明らかになり、神経回路網の再構成が起こる可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究当初に計画していた大脳半球に広範な梗塞巣を持つモデル動物では、新たに惹起される現象の機序解明には有効であるが、特定の領野ごとに役割分担する大脳皮質ではどの領域の神経回路網再建が機能回復に貢献したのかについては分からないため、一次運動野を含む頭頂部(運動皮質)に梗塞巣が限局するモデル動物を確立することにした。脳梗塞モデル動物を頭頂部(運動皮質)に梗塞巣が限局するモデル動物に変更したことにより、モデルの運動機能評価や組織学的な評価を行い、脳梗塞が頭頂部(運動皮質)に限局するモデル動物が確立された。しかし、このモデルの評価に時間がかかり当初の研究計画から遅れが生じてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度に実施予定であった脳梗塞後の長期間(1ヶ月)運動負荷後の脳梗塞回復における組織学的特徴の解析は現在進行中である。出来るだけ早期に研究を進め、当初に平成26年度に実施予定であった研究計画を進行させる。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究当初に計画していた大脳半球に広範な梗塞巣を持つモデル動物では、新たに惹起される現象の機序解明には有効であるが、特定の領野ごとに役割分担する大脳皮質ではどの領域の神経回路網再建が機能回復に貢献したのかについては分からないため、一次運動野を含む頭頂部(運動皮質)に梗塞巣が限局するモデル動物を確立することにした。脳梗塞モデル動物を頭頂部(運動皮質)に梗塞巣が限局するモデル動物に変更したことにより、モデルの運動機能評価や組織学的な評価を行い、脳梗塞が頭頂部(運動皮質)に限局するモデル動物が確立された。しかし、このモデルの評価に時間がかかり平成25年度に実施予定であった脳梗塞後の長期間(1ヶ月)運動負荷後の脳梗塞回復における組織学的特徴の解析が行えなかったため。 次年度使用額は、平成25年度に実施できなかった脳梗塞後の長期間(1ヶ月)運動負荷後の脳梗塞回復における組織学的特徴の解析のために使用する。
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