研究課題
次世代シークエンサー解析(NGS)を用いた神経変性マウスの遺伝子解析を目的として本年度の研究を進めた。平成25年度から始まった本研究課題において、自然発症型の運動失調を呈する当該マウスB6-wob/tは、ヒトの脊髄小脳失調症モデル動物としての有用性を期待して研究を始めた。これまでに、当該マウスに対し臨床で行うリハビリテーション運動を模擬して歩行訓練を行ってきた。運動は、回転ホーイルを用い1日60分(10分休憩を含)を3回行う強制歩行訓練群、環境エンリッチメント飼育箱を用いた自発的自然運動負荷群を通常ケージ群に対しロータロッド、ラーダー歩行試験、レーザービーム試験を用い歩行障害、平衡感覚の改善などを評価した。その結果、繰り返し運動を負荷する強制運動歩行訓練は著明な歩行パフォーマンスの改善が認められた。また、遊び場を飼育箱に配置した探索行動負荷運動による歩行パフォーマンスも同様の改善が認められた。しかしながら強制歩行訓練は、過度の運動負荷のためか個体に体重変動差があり、毛並みも悪く老化促進を伺わせた。以上の研究は、脊髄小脳失調症患者には強制歩行訓練の負荷よりも遊具や環境エンリッチメントを活かした運動トレーニング法の工夫の提案が適切かもしれない。以上、小脳失調症患者において運動負荷訓練の質と量を改善を提案するために、本年度は、当該マウスが、ヒトの小脳失調発症の原因遺伝子と類似しているか探索することは必須であったことから、平成26年度より準備を進めてきた結果、平成27年度において、野生型に対し欠失している遺伝子が当該マウスで発見された。現在ヒトの小脳失調症の原因遺伝子と類似するのか解析を行っている。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Biocybernetics and Biomedical Engineering
巻: 37 ページ: 114-123
Structure and Function
巻: 15 ページ: 62-70
http://www.fujita-hu.ac.jp/FMIP/