筋肉の質を解析するには刺激に反応した筋電図の周波数解析が必要となる。電気刺激が太い神経繊維を先に刺激して速筋が収縮することを利用して下肢筋群全体を活性化した上で、パルス波である電気刺激の合間をぬって筋電信号を拾う電気刺激応答筋電検出器を新たに製作した。20Hzの電気刺激に合わせて電気刺激出力と筋電信号測定のタイミングを同期させるための信号である基本クロックを20Hzに設定し、電気刺激出力中には筋電信号は遮断して電気刺激の行われていないタイミングで計測を行った。信号をBNCケーブルで引き出し、TRIASシステム(DKH)においてUSB接続AD変換ユニットを用いてAD変換を行い、1000Hz のサンプリング周波数で筋電計測を行いノートPCにデータを記録保存した。保存されたデータをCSVファイルフォーマットでエクスポートし、解析を行った。得られた筋電信号は20Hzの基本クロックによって切り出されたものであり20Hzの定間隔で隙間を持つため、まず筋電信号部分のみを切り出して連結し、通常の連続した筋電図の形に変換した。その筋電データをwavelet周波数解析の手法を用いてノイズの影響を極力排除して周波数解析を行った。使用したのはリアルタイムwavelet周波数解析&積分解析ソフトKm-Mercury(メディエリアサポート企業組合)であり、0.125秒の単位時間で解析を行った。wavelet周波数解析の手法を導入したことにより、目的である筋肉の質解析ができるシステムが完成した。
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