研究課題/領域番号 |
25282183
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
西井 淳 山口大学, 創成科学研究科, 教授 (00242040)
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研究分担者 |
垣内田 翔子 鹿児島工業高等専門学校, 電気電子工学科, 助教 (90638537)
橋爪 善光 九州情報大学, 経営情報学部, 講師 (20779847)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 関節間シナジー / 冗長自由度 / 運動制御 / 運動学習 / 二足歩行 / UCM解析 |
研究実績の概要 |
本研究の主目的は,歩行時に関節間シナジーがどのように形成されているかを解析することで歩行運動制御機序を探ること,また,関節間シナジーの形成がどのような神経メカニズムで実現されているかを推定することである。 平成28年度は,例えば足先位置を調整するような脚関節間の協調的運動(関節間シナジー)が観察される場合,この関節間シナジーの形成に各関節がどの程度寄与しているかを推定する方法を開発した。この提案手法を用いることで,歩行時の脚運動周期の各位相に応じて関節間シナジーの形成機序が動的に変化していること,また,関節間シナジーによって足先位置や股関節位置を調整する上で踝関節が特に重要な役割を果たしていることを示唆する結果を得た。この成果の一部は論文にまとめて発表している。また,関節間シナジーを形成する神経回路網モデルとして,これまでに提案していたモデルの問題点を改良し,学習をより容易に行うことができ,かつ,タスクの変更に対して少ない再学習で対応できる運動学習モデルを提案した。このモデルにより,比較的単純なフィードフォワード型の神経回路網モデルにより,冗長自由度を活用した運動制御を実現できることを示した。さらに,このモデルを用いた計算機シミュレーション実験によって,運動制御に用いるモダリティの選択が運動学習に大きな影響を及ぼしうること,言い換えると学習中の注意の向け方が運動能力の向上に影響を与えうることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
歩行運動における脚関節間シナジーの推定や,関節間シナジーを形成する神経回路網モデルの考察に関しては当初計画よりも進んでいる点もある一方で,計測機器のトラブル等で運動実験における被験者数の確保がやや遅れた影響で,論文執筆がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの研究成果をとりまとめ,学会発表および論文執筆による成果発表を推進していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
運動計測実験の一部の実施が機器トラブルのために遅れたことなどの影響で,成果発表の取りまとめが部分的に遅れ,そのため予定していた学会発表のための経費および論文掲載費の執行が遅れた。
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次年度使用額の使用計画 |
研究成果発表のための旅費,学会参加費,および論文掲載費に使用する予定である。
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