本研究は、他者の運動を観察することと、自身の動きの制御の関係を実験的に明らかにすることであり、次の2つの課題を検討した。1)自身の運動生成に関わる力発生のタイミングで、他者の動きの違いを識別しているか。2)他者の調整動作を観察することが、自身の動きの制御に影響するか。 1)については、観察者が識別する投球動作の変化が、運動生成に関与するトルク発揮のタイミングと一致することを明らかにした。また2)については、垂直跳びの高さの調整が、一人が4回ジャンプして目標の高さへ調整して行くことと、4人が一回ずつ順にジャンプして目標の高さを目指す試技で、同様の結果が得られることを明らかにした。
|