研究課題/領域番号 |
25282192
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木村 佳記 大阪大学, 医学部附属病院, 技術職員 (00571829)
|
研究分担者 |
向井 公一 四條畷学園大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (00353011)
小柳 磨毅 大阪電気通信大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20269848)
田中 則子 大阪電気通信大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (20290380)
小柳 健一 富山県立大学, 工学部, 准教授 (30335377)
境 隆弘 大阪保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (60353009)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | トレーニング装置 / ER流体 / 閉運動連鎖 / トレーニング科学 / リハビリテーション |
研究実績の概要 |
1.本研究の目的:足底が接地した荷重状態の立位(閉運動連鎖系)において、下肢の移動に対して多彩な負荷様式を与える新たなトレーニング方法を確立するため、そのトレーニング装置とシステムを開発することである。平成25年度に、アクティブ制御機構を持つトレーングシステムの試作機(機械制御開発用)を新たに作成した。平成26年度は、コンピュータ制御ソフトを開発し、トレーニング手法開発用の試作機を製作することに加えて、トレーニング方法の設計自由度を増やすため、新たな負荷様式を開発することである。 2.研究の成果:機械制御開発用の装置にて特性試験を進めた。平成25年度までの等負荷モードと等速度モードに加え、負荷が漸減する始動モードと漸増する終動モードを新たに開発した.コンピュータ制御ソフトを開発し、トレーニング手法開発用の試作機を製作した。 3.健常者を対象としたトレーニング動作の運動解析:完成したトレーニング手法開発用の試作機とコンピュータ制御ソフトを用いて、健常者を対象としたトレーニング動作の運動解析を行った。等速度負荷モードで、側方に抵抗を与えつつ行う片脚スクワット動作(RLLR)は、無負荷での片脚スクワット動作で膝関節が外反する6名の内5名の膝関節外反を抑制することが明らかになり、膝関節の外反によって生じる前十字靱帯や半月板損傷および軟骨損傷などの膝関節傷害の予防に有用であると考えられた。また、等負荷モードでのRLLRは、等速度に比較して、発揮できる下肢の駆動力は小さいものの、運動開始初期(膝関節軽度屈曲位)に発揮する駆動力は等速度より大きく、この肢位で受傷するリスクの高い前十字靱帯損傷の予防に有用であると考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当学に購入した動作解析装置と、従来当学に設置されている床反力計との接続および機器全体のセットアップにトラブルが生じ、当学での運動計測の開始が停滞した。本年度の健常者での運動解析は、止む無く共同研究者の施設にて実施したが、当初予定していた運動計測の半分程度に留まった。一方で新たな負荷様式を実装することができ、装置開発、評価やトレーニングできるバリエーションが増した.
|
今後の研究の推進方策 |
残りの課題である健常者を対象とした動作解析を実施し、提案するトレーニング様式の有効性を確認すると共に、開発した装置の動作評価を行う。その後、リハビリテーション対象者の筋力評価およびトレーニングを実施し、本装置や動作解析装置および床反力計によるトレーニング効果の検証を行う。これにより、提案するトレーニング様式の有用性を検証する。開発している装置においては、トレーニング実施者へのフィードバック機構や操作インタフェースを精査し、より実際の使用に有用なものとなるようブラッシュアップする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
1.トレーニング装置(トレーニング手法開発用)の改良を継続しているが、一部の改良が年度をまたいで継続しているため、予算執行を次年度に繰り越すこととした。 2.今回購入した動作解析装置の不具合があり、問題解決のための物品費用、業者による調査費用などを確保しておく必要があった。
|
次年度使用額の使用計画 |
本年度上半期の早期において、トレーニング装置の改良と動作解析装置の調査および不具合の解消に本予算を使用する予定で、速やかに追加実験を進めていく。
|