研究課題/領域番号 |
25282210
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
野田 明子 中部大学, 臨床検査技術教育・実習センター, 教授 (80252287)
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研究分担者 |
岩本 邦弘 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50569796)
安田 宜成 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60432259)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 認知機能 / 脳機能 / うつ病 / 運動 / 睡眠 / 血圧 / 動脈硬化 |
研究実績の概要 |
1)多点感圧センサシート法による無拘束睡眠モニタから体動・呼吸データを算出し、睡眠障害を判定するアルゴリズムを開発した。脈波計を含む無拘束睡眠システムは、レム睡眠・ノンレム睡眠と覚醒を、高い感度・特異度をもって判別が可能であった。多点感圧センサシート法による無拘束睡眠モニタは、認知症やうつ病と密接に関係する睡眠障害の早期検出に有用である可能性が考えられた。今後、商品化・実用化を目指すために大規模な臨床実験による検証が必要となる。 2)社会の24時間化により、睡眠・覚醒リズムが乱れ、睡眠に何らかの問題を抱える者の数は増加している。睡眠の質の低下は、日中の生活にも様々な影響を及ぼしている。睡眠時間の短縮が、精神・心理面にどのような悪影響を及ぼすか否かについて検討した。対象は、本研究内容を説明し同意を得た健常成人14例であった。対象全例に非侵襲的に脳局所の血流量を評価することが可能な近赤外光イメージング(Near-infrared spectroscopy:NIRS)検査、認知機能検査、気分プロフィール検査(POMS)、スタンフォード眠気尺度による眠気評価、アクチグラフィおよび睡眠日誌による睡眠・覚醒評価を施行した。自然睡眠(7-8時間睡眠)1日および短時間睡眠(4時間以下の睡眠)3日の検査結果を比較検討した。3日間の睡眠制限により、脳血流の低下、注意持続力の低下および気分障害の悪化が認められた。本検討により、今後のうつ病予防のプログラム作成に役立つ情報が得られた。 3)若年者と高齢者において、睡眠習慣と運動習慣が認知機能へ及ぼす影響について検討した。若年者および高齢者ともに習慣性の運動が認知機能向上に有効と考えられた。若年者において、適切な枕は睡眠の質のみならず、夜間血圧の安定化にも効果的であった。認知機能に効果的な運動処方および快眠方法について、さらなる詳細な検討を加えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
認知症やうつ病と密接に関係する睡眠障害の検査装置を開発し、特許出願した。目的達成に向けて本機器の精度向上や睡眠障害の検出方法をさらに検討している。また、認知機能向上とうつ病予防に効果的な睡眠習慣と運動処方を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度と同様に対象者を無作為に睡眠衛生指導・運動療法を施行し、認知機能向上・うつ病や生活習慣の改善効果を明らかにし、認知症・うつ病予防のプログラムを作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
学内の会計手続きの関係上、支払いが次年度へ回ったため。
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次年度使用額の使用計画 |
多くの検体を同時に測定する実験のため、27年度分の検体とあわせて使用する。
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