研究課題/領域番号 |
25282213
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大藏 倫博 筑波大学, 体育系, 准教授 (60396611)
|
研究分担者 |
田中 喜代次 筑波大学, 体育系, 教授 (50163514)
武田 文 筑波大学, 体育系, 教授 (80216902)
堀田 和司 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 講師 (00569121)
甲斐 裕子 公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所, 研究員 (20450752)
金 憲経 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 研究副部長 (20282345)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 介護予防 |
研究概要 |
①運動支援ボランティア(以下、ボランティアと記す)自身への効果を検討するために、地域在住高齢者120名を対象とした。ボランティアとなるためには、10時間(2時間×5日間)のボランティア育成講習会を修了することが求められるが、上記の120名は全てがこの講習会を修了した。対照群は、同じ期間の運動習慣を有するがボランティア活動はおこなっていない地域・年齢・男女比率をマッチングさせた高齢者120名とした。身体機能、認知機能、心理機能の各側面から検討した結果、ボランティアはいずれの機能においても対照群より優れる傾向にあることが分かった。 ②ボランティアの運動指導を受けた高齢者への効果の検討には400名を対象とした。本対象者の定義は、ボランティアが主催する運動サークルに週1回以上の頻度で1年間以上、継続参加した者(以下、運動サークル参加者と記す)とした。対照群は、笠間市の住民基本台帳から無作為抽出された運動習慣を有さない地域・年齢・男女比率をマッチングさせた高齢者400名とした。身体機能、認知機能、心理機能の各側面から検討した結果、運動サークル参加者はいずれの機能においても対照群より優れる傾向にあることが分かった。 ③ボランティア活動がコホート全体に与える波及的効果の検討には、笠間市が地域支援事業の一環でおこなう二次予防事業対象者把握事業の中で、質問紙調査(郵送法)によっておこなった。その結果、対象とした要介護者を除く高齢者約17,000人の約60%(10,256人)から回答があり、そのうちの約15%が本ボランティアの存在を知っている、もしくは自身が関わったことがあると回答しており、住民への普及・認知が進んでいることが明らかとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね計画書に記載された通りに研究は進捗しており、運動ボランティア自身への効果に関するデータ、ボランティアの運動指導を受けた高齢者の効果に関するデータ、さらにはボランティア活動がコホート全体に与える波及効果に関するデータが収集されるなど、順調に進展していると言える。
|
今後の研究の推進方策 |
①ボランティアへもたらされる効果の検討には、平成26 年度に新たに育成する50 名を加えて、合計170名を対象とした縦断研究をおこなう。対照群は、同じ期間の運動習慣を有するがボランティア活動はおこなっていない地域・年齢・男女比率をマッチングさせた高齢者170名とする。 ②運動サークル参加者へもたらされる効果の検討には、平成26 年度に新たに300 名を加え、合計700 名を対象とした縦断研究をおこなう。対照群は、笠間市の住民基本台帳から無作為抽出された運動習慣を有さない地域・年齢・男女比率をマッチングさせた高齢者700 名とする。 ③ボランティア活動がコホートに与える波及的効果の検討には、平成25 年度と同様、笠間市による二次予防事業対象者把握事業の質問紙調査によることとし、個人の追跡を可能とする縦断データを活用する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の物品の購入および出張が平成26年度にずれ込んだため。 平成26年度において運動用具を購入する費用、成果発表のための国内出張旅費に充てる。
|