研究課題
ゴニオドミンＡの合成研究：従来の合成法を改良し、全合成に必要な３つのフラグメントのグラムスケールでの合成経路を確立した。まず、ビニルスズとチオエステルフラグメントをPd触媒によるクロスカップリング反応により連結し、得られたエノンからヨウ化ビニル体へと変換した。次いで、Keckエステル化によりカルボン酸フラグメントと縮合し、ゴニオドミンＡのすべての炭素鎖を備えた重要中間体を合成した。さらにアルデヒドへと変換後、分子内野崎－檜山－岸反応によってマクロラクトン骨格の合成に初めて成功した。これにより、全合成の完遂に向けて大きな前進をみた。アンフィジノリドＮの合成研究：エステル縮合によるフラグメント連結、続く閉環メタセシス反応によりジヒドロピラン環を構築し、立体選択的な官能基導入により、α,α’ージヒドロキシケトン構造を含む6員環アセタールの構築に成功し、Ｃ８－Ｃ２９フラグメントの合成を達成した。さらに、ビニロガス向山アルドール反応とEvansアルドール反応を鍵工程としてＣ１－Ｃ７およびＣ８－Ｃ１３フラグメントを調製し、両者のアルドール反応によりＣ１－Ｃ１３フラグメントの収束的合成法を確立した。ポリカバノシドＢの全合成：昨年度に引き続き、従来法を改良した合成経路の最適化を行うことにより上部フラグメントのグラムスケールでの合成法を確立した。続く下部フラグメントとの鈴木－宮浦反応による連結、Keckマクロラクトン化によるマクロラクトン骨格の構築を経て、重要中間体の効率的合成経路を確立した。さらに、塩化金（III）を活性化剤としたグリコシル化による二糖部分の導入とStille反応によるジエン側鎖の導入を経て、ポリカバノシドＢの最初のの全合成を達成した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 2件、 査読あり 10件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (9件) 図書 (1件) 備考 (1件)
ACS Chemical Neuroscience
巻: 8 ページ: in press
10.1021/acschemneuro.7b00012
Toxicology Letters
巻: 250-251 ページ: 10-20
10.1016/j.toxlet.2016.04.001
The Journal of Organic Chemistry
巻: 81 ページ: 3638-3647
10.1021/acs.joc.6b00290
Chemistry A European Journal
巻: 22 ページ: 6815-6829
10.1002/chem.201600341
Organic Letters
巻: 18 ページ: 2232-2235
10.1021/acs.orglett.6b00871
Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters
巻: 26 ページ: 2992-2996
10.1016/j.bmcl.2016.05.027
Tetrahedron Letters
巻: 57 ページ: 3532-3534
10.1016/j.tetlet.2016.06.107
巻: 81 ページ: 8234-8252
10.1021/as.joc.6b01302
巻: 81 ページ: 9105-9121
10.1021/acs.joc.6b01700
Bulletin of the Chemical Society of Japan
巻: 89 ページ: 1403-1415
10.1246/bcsj.20160224
http://www.agri.tohoku.ac.jp/kanshoku/index.html
