強力かつ重要な生物活性を示す海洋マクロリド天然物の機能解析を目的とし、効率的な全合成研究を行った。細胞骨格タンパク質アクチンに作用するポリエーテルマクロリド、ゴニオドミンAに関して、全合成に必要な3つのフラグメントのグラムスケールでの合成ルートを確立し、Stille型カップリングおよびエステル化によりフラグメントを連結し、分子内野崎-檜山-岸反応によりマクロラクトン骨格の構築に成功した。致死性海産毒ポリカバノシドBの改良合成ルートを確立し、世界初の全合成を達成した。強力な細胞毒性を示すマクロリド、アンフィジノリドNのC1ーC13およびC8ーC29フラグメントの収束的合成法を確立した。
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