研究課題
光を用いた非侵襲脳機能イメージング法、fNIRSは、簡便性という利点によって、近年、急速に普及が進んでいる。他方、研究の最先端においては、脳構造の光伝播特性を活用して信号源を推定する、より精度の高い拡散光イメージング法として進化しようとしている。しかし、信号源推定には脳構造画像が必要であり、fNIRSの簡便性を著しく損なうというジレンマがある。我々はこれまでに、従来のfNIRSにおいて、MRIの取得なしで脳機能データの測定位置を推定する確率的レジストレーション法を確立し、脳機能画像のみで構造画像が得られないという問題を解決し、fNIRS解析法のデファクトスタンダード化をなし遂げた。本研究では、この技術を発展著しい拡散光イメージング法と融合させる。すなわち、被験者のMRIなしで、確率的レジストレーション法によって拡散光イメージングの信号源を標準脳座標系に3次元推定する、次世代型fNIRS技術を創生することを目ざした。まず、データの連続化に伴って増加する多重性を適切に補正するために、実行解像度に基づく多重比較補正法の開発が必須となり、この基礎については、前年度までにほぼ確立した。次に、本年度は、グループデータにおいて、固定された標準脳ではなく、複数の参照脳を用いて、確率的レジストレーション技術を拡散光トモグラフィ技術と融合する技術を開発した。 具体的には、参照脳データベースの素材として、組織別にセグメンテーションがなされた脳の光学的特性を利用して、光拡散のシミュレーションを行った。これらの素材に対し、国際10-20基準点などの頭表上のランドマーク設定、標準脳座標系への変換パスの設定等、確率的レジストレーションに必要な処理を行った。これによって、グループデータから、MRI画像の撮像なしでも、バイアスのない3次元DOT脳機能画像が、標準脳座標系上に実現することになった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
(1)身体の持久力を保つことは脳の老化を防ぐ!―高齢者における心血管機能と認知機能の相関性、その脳内機構を解明―(2)自治医科大学(門田、長嶋、山形)、中央大学(檀)らの共同研究グループは、光を用いた無侵襲の脳機能イメージング法である光トポグラフィを利用して、注意欠如・多動症(ADHD)の中心症状(落ち着きがない・待てない)を個人レベルで可視化することに成功しました
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (2件)
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