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2014 年度 実績報告書

社会主義文化における戦争のメモリー・スケープ研究―旧ソ連・中国・ベトナム

研究課題

研究課題/領域番号 25283001
研究機関北海道大学

研究代表者

越野 剛  北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 准教授 (90513242)

研究分担者 田村 容子  福井大学, 教育地域科学部, 准教授 (10434359)
今井 昭夫  東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (20203284)
高山 陽子  亜細亜大学, 国際関係学部, 准教授 (20447147)
前田 しほ  東北大学, 東北アジア研究センター, 助教 (70455616)
平松 潤奈  金沢大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (60600814)
福田 宏  京都大学, 地域研究統合情報センター, 助教 (60312336)
向後 恵里子  明星大学, 人文学部, 准教授 (80454015)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード戦争の記憶 / 社会主義 / 地域間比較 / ジェンダー / 記念碑 / ソ連 / 中国 / ベトナム
研究実績の概要

●2014年5月12日から6月2日まで北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター公開講座の枠組みを利用し、本科研のメンバーが中心となって一般市民を対象に連続講演を行った。越野、今井、高山がそれぞれ旧ソ連、ベトナム、中国における戦争と社会主義の記憶に関する講義を行い、研究成果の社会還元に寄与することができた。
●2014年9月16日に北海道大学で研究会「戦争と社会主義のメモリースケープ」を開催した。越野、田村、およびベトナム映画研究者の坂川直也氏により旧ソ連、中国、ベトナムの戦争映画における敵の表象についての研究報告を行った。また前年度の研究成果である学術誌『地域研究』特集「紅い戦争の記憶:旧ソ連、中国、ベトナムを比較する」の合評会を実施して、福田、向後、平松がそれぞれコメントを述べた。
●2015年3月4日から8日にかけて台湾で本科研メンバーによる合同現地調査を実施した。台北では国軍歴史文物館、台北二二八紀念館、忠烈祠などを視察した。4日には台北市内で研究会を開催し、関西学院大学の唐顥芸氏による228事件の記憶に関する研究報告、台北芸術大学の林于竝氏による金門島および台湾現代史に関するレクチャーを行った。また本科研メンバーによる今後の研究計画および最終成果の刊行についての打ち合わせを実施した。金門島では湖井頭戦史館、九宮坑道、古寧頭戦史館、瓊林坑道、国民党軍における慰安婦の活動を記念した特約茶室展示館などを視察した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

●実施計画にある通り、国内での研究会と海外での調査・研究会を実施することができた。どちらも本科研のメンバーがほぼ全員そろうことになり、前年度までの研究成果の反省や今後の研究計画について具体的な打ち合わせを行うことができた。本科研の研究分担者以外の研究者も招いて、旧ソ連・中国・ベトナムの地域間比較について踏み込んだ議論を行うことにより、複数の地域にまたがる研究者のネットワークを拡充することができた。
●北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターの公開講座の枠組みを利用して、ユーラシア地域の歴史の記憶についての連続講演会を企画することにより、研究成果の社会還元を行うことができた。
●実施計画にあった中間成果報告集は、編集作業を進めたにも関わらず刊行には間に合わず、次年度に持ち越すことになった。

今後の研究の推進方策

●2015年8月に幕張で開催される国際中東欧学会(ICCEES)において二つのパネルを組織して、研究成果を国際的に発信する。
●2015年10月ごろに国内で研究会を開催する。
●2016年3月にベトナムで合同調査を実施する。
●前年度から持ち越した中間成果報告集を刊行する。
●最終成果の刊行にむけて、執筆者同士の打合せを密に行いながら原稿を準備する。

次年度使用額が生じた理由

●残額41,005円は、平成27年3月に台湾で行った現地調査の際に発生したバス借り上代・会場借上代(プロジェクターレンタル代含む)であるが、これらが4月支払いになる為生じたものである。●残額180,000円は平成27年3月に立替払手続きをした国際中東欧学会(ICCEES)世界大会の参加登録料6名分であるが、これが4月支払いになる為生じたものである。●残額7,931円は、平成26年度の成果をまとめた報告書の印刷代として、平成27年3月に支出をしたが、これが4月支払いになる為生じたものである。●残額185,789円は、予定していた中間成果報告集の刊行が次年度に延期された為、生じたものである。

次年度使用額の使用計画

●残額41,005円は、平成27年3月に台湾で行った現地調査の際に発生したバス借り上代・会場借上代(プロジェクターレンタル代含む)の4月支払いに充てる。●残額180,000円は平成27年3月に立替払手続きをした国際中東欧学会(ICCEES)世界大会の参加登録料6名分の4月支払いに充てる。●残額7,931円は、平成26年度の成果をまとめた報告書の印刷代の4月支払いに充てる。●残額185,789円は、平成27年6月頃に予定している中間成果報告集の刊行に充てる。

  • 研究成果

    (23件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 1件) 図書 (7件)

  • [雑誌論文] 露助の表象:日露戦争期における敵としてのロシア兵イメージをめぐって2015

    • 著者名/発表者名
      向後恵理子
    • 雑誌名

      明星大学研究紀要:人文学部日本文化学科

      巻: 23 ページ: 51, 60

  • [雑誌論文] 書評:伊藤正子『戦争記憶の政治学 -韓国軍によるベトナム人戦時虐殺問題と和解への道』2015

    • 著者名/発表者名
      今井昭夫
    • 雑誌名

      東南アジア研究

      巻: 52(2) ページ: 338, 340

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 社会主義キッチュと観光土産2015

    • 著者名/発表者名
      高山陽子
    • 雑誌名

      国際関係紀要

      巻: 24(1-2) ページ: 55, 79

  • [雑誌論文] 書評:亀田真澄著『国家建設のイコノグラフィー:ソ連とユーゴの五カ年計画プロパガンダ』2015

    • 著者名/発表者名
      越野剛
    • 雑誌名

      スラヴ学論集

      巻: 18 ページ: 140, 145

    • 査読あり
  • [学会発表] 1950年代の中国プロパガンダ芸術におけるソ連の表象―連環画にみる「蘇聯展覧館」の記憶2015

    • 著者名/発表者名
      田村容子
    • 学会等名
      スラブ・ユーラシア研究センター客員研究員セミナー
    • 発表場所
      北海道大学(北海道札幌市)
    • 年月日
      2015-02-10
  • [学会発表] 英雄の古層―日露戦争における武士と兵士のイメージ2014

    • 著者名/発表者名
      向後恵理子
    • 学会等名
      幕末明治研究会
    • 発表場所
      明星大学(東京都日野市)
    • 年月日
      2014-12-20
  • [学会発表] Images of Nationalities and Gender strategies: War Monuments and Memorials in Russia2014

    • 著者名/発表者名
      前田しほ
    • 学会等名
      Association for Slavic, East European, and Eurasian Studies
    • 発表場所
      サンアントニオ・マリオットリバーセンター(米国)
    • 年月日
      2014-11-22
  • [学会発表] 後期ソヴィエトにおける独ソ戦記念碑の表象と機能2014

    • 著者名/発表者名
      前田しほ
    • 学会等名
      日本ロシア文学会
    • 発表場所
      山形大学(山形県山形市)
    • 年月日
      2014-11-05
  • [学会発表] 土産物の中の毛沢東:中国の紅色旅游とナショナリズム2014

    • 著者名/発表者名
      高山陽子
    • 学会等名
      研究会「東アジアの戦争観光とナショナリズム:日本・中国・ベトナムの比較を通して」
    • 発表場所
      亜細亜大学(東京都武蔵野市)
    • 年月日
      2014-10-04
  • [学会発表] 中国の戦争映画における 〈鬼子〉と〈女乃子naizi〉2014

    • 著者名/発表者名
      田村容子
    • 学会等名
      研究会「戦争と社会主義のメモリースケープ」
    • 発表場所
      北海道大学(北海道札幌市)
    • 年月日
      2014-09-16
  • [学会発表] 『フランツとポリーナ』を観る―独ソ戦争映画におけるドイツ兵2014

    • 著者名/発表者名
      越野剛
    • 学会等名
      研究会「戦争と社会主義のメモリースケープ」
    • 発表場所
      北海道大学(北海道札幌市)
    • 年月日
      2014-09-16
  • [学会発表] 『東欧革命』への『長い』軌跡:『正常化』時代における非言語的象徴の機能2014

    • 著者名/発表者名
      福田宏
    • 学会等名
      比較政治学会
    • 発表場所
      東京大学(東京都文京区)
    • 年月日
      2014-06-28
  • [学会発表] О возможности русской женской литературы2014

    • 著者名/発表者名
      前田しほ
    • 学会等名
      ПОЛИФОНИЯ, Междунароный Литературный фестиваль
    • 発表場所
      民族楽器博物館(アルマティ、カザフスタン)
    • 年月日
      2014-06-06
    • 招待講演
  • [学会発表] 記憶の中の大祖国戦争:ロシアとベラルーシ2014

    • 著者名/発表者名
      越野剛
    • 学会等名
      スラブ・ユーラシア研究センター公開講座
    • 発表場所
      北海道大学(北海道札幌市)
    • 年月日
      2014-06-02
  • [学会発表] ベトナム人から見たベトナム戦争の記憶2014

    • 著者名/発表者名
      今井昭夫
    • 学会等名
      スラブ・ユーラシア研究センター公開講座
    • 発表場所
      北海道大学(北海道札幌市)
    • 年月日
      2014-05-19
  • [学会発表] 中国の刊行革命2014

    • 著者名/発表者名
      高山陽子
    • 学会等名
      スラブ・ユーラシア研究センター公開講座
    • 発表場所
      北海道大学(北海道札幌市)
    • 年月日
      2014-05-16
  • [図書] Дальний Восток, близкая Россия: эволюция русской культуры с евразийской перспективы.2015

    • 著者名/発表者名
      平松潤奈、前田しほ、野中進、ヴァレリイ・グレチコ、高柳聡子、八木君人
    • 総ページ数
      未定
    • 出版者
      埼玉大学教養学部
  • [図書] 中国の歴史:東アジアの周縁から考える2015

    • 著者名/発表者名
      今井昭夫、濱下武志、平勢隆郎、神野志隆光、片岡一忠、寺内威太郎、吉開将人、堀池信夫、夏井春喜、小林徹行、廖赤陽、黨武彦、中島隆博
    • 総ページ数
      362
    • 出版者
      有斐閣
  • [図書] 国民音楽の比較研究に向けて:音楽から地域を読み解く試み2015

    • 著者名/発表者名
      福田宏、池田あいの、葛西周、白木太一、太田峰夫、中村真、神竹喜重子、河瀬彰宏、岡本佳子
    • 総ページ数
      73
    • 出版者
      京都大学地域研究統合情報センター
  • [図書] Eurasia's Regional Powers Compared: China, India, Russia2015

    • 著者名/発表者名
      越野剛、田畑伸一郎、丸川知雄、金野雄五、上垣彰、大串敦、安達祐子、田原史起、唐亮、中居良文、伊藤融、池田嘉郎、秋葉淳、小松久恵、高橋沙奈美、前島訓子、小林宏至
    • 総ページ数
      244
    • 出版者
      Routledge
  • [図書] ロシアSFの歴史と展望2015

    • 著者名/発表者名
      越野剛、久野康彦、宮風耕治、岩本和久
    • 総ページ数
      127
    • 出版者
      北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター
  • [図書] ドラゴン解剖学 登竜門の巻 中国現代文化14講2014

    • 著者名/発表者名
      田村容子、大東和重、及川茜、神谷まり子、齋藤大紀、中野知洋、城山拓也、大野陽介、杉村安幾子、中村みどり、和泉司、高橋俊、中野徹、日野杉匡大
    • 総ページ数
      228
    • 出版者
      関西大学出版会
  • [図書] ノーベル文学賞にもっとも近い作家たち2014

    • 著者名/発表者名
      越野剛、都甲幸治、 西脇雅彦、石川清子 、小澤英実 、阿部賢一、佐藤良明 、土肥秀行 、楠瀬佳子 、 橋本智弘 、上岡伸雄 、山口和彦、原成吉 、宮原一成 、水谷八也 、山内功一郎 、日吉信貴 、加藤洋介 、大野典宏、岡和田晃、東條慎生、藤井光、小田島恒志
    • 総ページ数
      248
    • 出版者
      青土社

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公開日: 2016-06-01  

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