研究課題/領域番号 |
25283005
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三重野 文晴 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (40272786)
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研究分担者 |
水野 広祐 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (30283659)
生方 史数 岡山大学, その他の研究科, 准教授 (30447990)
藤田 幸一 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (80272441)
駿河 輝和 神戸大学, その他の研究科, 教授 (90112002)
岡本 正明 京都大学, 東南アジア研究所, 准教授 (90372549)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 東南アジア / 経済発展 / 農村 / 労働 / 資本 |
研究実績の概要 |
研究計画に沿って、それぞれの研究者は担当分野の研究を推進した。三重野はプログラム全体を主催し研究分担者のコーディネーションを行うとともに、昨年度出版したASEAN金融システムの特性についての研究の敷衍、タイの経済構造と政策金融の関係、ミャンマーの経済状況と金融システムの生成についての研究を進めた。水野は、インドネシアの経済の方向性に関する研究、泥炭問題に関する研究を推進した。藤田は、タイ、ミャンマーの天然ゴムの成長の可能性についての研究を引き続き進めるとともに、ミャンマーの国境地域の作物転換事業についての研究も進めた。生方はタイなどの輸出型野菜栽培についての研究を進めた。岡本はインドネシアにおけるオイルパームに関する政治経済学的研究を進めるとともに、民主化過程についての研究をとりまとめ単著を出版した。駿河は、ラオスにおける契約栽培についての研究を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各研究分担者は、東南アジアの次世代成長メカニズムという大きな枠組みの中で担当した分野に対し、具体的な分析対象を定めて研究を進め、その成果が上がりつつある。それによって全体テーマについての論点が明らかになってきた。具体的には、東南アジアの今後の成長経路には、さらなる輸出工業化と、生来の農業生産力と商業活動を基盤におくサービス産業の成長の2つの方向があり、また、成長と同時に社会保障や環境保全を含む生活基盤の保持といった問題と関係する所得再分配の論点が、この地域の社会経済システムに重要な要素となってきていることがわかった。研究代表者はこうした論点を踏まえて、東南アジア経済の全体構造についての論考の執筆も進めている。研究の3年目の成果として問題の輪郭がよく整理できるようになっており、この点について、研究は概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は最終年度として、研究担当者が個々に進めてきた研究の成果を、東南アジアの社会経済構造の全体像の理解と次世代成長メカニズムの見通しを得るための、全体枠組みに居続ける作業を進める予定である。一部の研究担当者は引き続き現地調査を継続し、研究集会を開催して問題認識の共有を図る。また、年度の終わりには小規模な国際研究集会を開催して、研究グループの到達した知見披露し、議論を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
現地調査費等に若干の余裕があったが、不急の支出を控え、来年度の予備費として残した。
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次年度使用額の使用計画 |
最終年度として予定されている研究集会などに比較的多くの費用がかかる予定であり、それらを充実させる形で利用される予定である。
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