研究課題
基盤研究(B)
東南アジア経済について、従来型のメカニズムによる成長は意外に堅実で、その方向性にはさほどの変化はない。一方で環境整合型技術や農業基盤型産業化といった新しい成長メカニズムの現れは緩慢で、現在のところまだ補助的なものに留まっている。他方、生産要素の一つである資本・金融の動態は、域内あるいは世界への投資が活発化するなど、より能動的なものに変質しつつある。最後に、成長メカニズムそのものの構造変化の問題よりは、都市における消費経済の成熟や人口動態の変化を背景とする価値観の多様化や再分配をめぐる社会対立の顕在化が、喫緊の問題として深刻であり、それを調整する社会政治システムの確立が優先課題である。
地域研究、経済学