研究課題/領域番号 |
25283009
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
永井 史男 大阪市立大学, 大学院法学研究科, 教授 (10281106)
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研究分担者 |
西村 謙一 大阪大学, 国際教育交流センター, 准教授 (40237722)
安部 鶴代 (船津鶴代) 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 新学術領域研究センター環境・資源研究グループ, 主任研究員 (60450483)
岡本 正明 京都大学, 東南アジア研究所, 准教授 (90372549)
籠谷 和弘 関東学院大学, 法学部, 教授 (70313351)
北村 亘 大阪大学, 大学院法学研究科, 教授 (40299061)
砂原 庸介 大阪大学, 大学院法学研究科, 准教授 (40549680)
小林 盾 成蹊大学, 文学部, 教授 (90407601)
菊地 端夫 明治大学, 経営学部, 准教授 (40515920)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 地方自治 / 地方分権 / 住民参加 / エリートサーヴェイ / 東南アジア / タイ / フィリピン / インドネシア |
研究実績の概要 |
平成27年度も前年度に引き続き、国内外での研究成果報告を軸に、各班毎に研究会を開催した。 国外の研究成果報告会としては、2016年2月29日にインドネシア科学院(LIPI)政治研究センターにおいて、インドネシア自治体エリート・サーヴェイ調査の分析結果の報告会を催した。インドネシア班のメンバー3名が報告したほか、タイの首長版単純集計結果についても報告した。 国内で開催された学会や国際会議でも、研究成果を精力的に報告した。2015年6月14日にはアジア政経学会全国大会でパネルを組み、タイからコメンテーターを招いたうえで、タイ・フィリピンの分析結果を英語で報告・討論した(事前にペーパーをアップロード)。12月12日に京都で開催されたSEASIA国際会議でもパネルを組み、4本の報告を英語で行った。10月10日には日本政治学会でもパネルを組み(事前にペーパーを執筆し学会ホームページにアップロード)、3カ国についてそれぞれ1本ずつ報告を行い、2名の討論者とフロアから有益なコメントを頂いた。 班別でみると、フィリピン班が2015年9月11日にプノンペンで開催されたAPISA国際会議と、10月19日に上海で開催されたEROPA国際会議でそれぞれ報告を行った。単純集計結果も『法学雑誌』(大阪市立大学法学会)に公表した。インドネシア班も上記報告に加えて年4回研究会を開催し、論文の質向上に努めた。 タイ班については、2015年8月下旬と10月下旬に入力データと原票との照合のためバンコクのニールセン社に赴き、データ・クリーニング作業を行った。チェックシートを日本に持ち帰り、入力データの修正作業を行ったうえで、2016年2月15日の班会議で首長データの確認した。また、目的変数として重要な自治体賞の変数化作業を行うため、2016年3月にタイに出張し、自治体賞に関する調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
サーヴェイ分析の進行度が、国や個人によって違いがある。また、特にタイ班の進展が大きく遅れているため、3カ国比較分析作業が未着手のままである。 フィリピン班は概ね分析が順調に進んでいるが、研究分担者のうち一人が長期在外研究に出ているため、進行がやや遅れている。インドネシア班も分析がやや遅れている。班会議を別途4回開催するなど、分析を深める努力を相当払っているが、もともとのサンプル数が絶対的に少ないため、統計的有意を確認するのに苦戦している。ジャカルタでの報告会開催が遅れたのも、分析が思うように進まなかったためである。 タイ班については、2013年タイ自治体サーヴェイのデータ・クリーニング作業が大幅に遅れたため、単純集計結果がようやく手元に揃ったのが2016年に入ってからであった。首長版の分析はようやく2016年2月に入ってから実施可能となった。しかし、より精度の高い分析をするには、財政指数やパフォーマンス変数として有益な自治体賞の変数化作業などが必要であり、まだ着手できていない。 以上のような次第で、当初実施する予定だった東南アジア3カ国のサーヴェイ結果の比較分析作業も実施できていない状態である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究プロジェクトは平成27年度中に終える予定だったが、進捗状況に遅れが生じているため、平成28年度に繰り越すことにした。具体的には、平成28年度中に遅れているタイ班の単純集計作業、目的変数の入力作業・分析作業を進めるとともに、2016年8月までに各班から英文・和文のペーパーを提出してもらったうえで、出版に向けて準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画では平成27年度中に3カ国比較を行ったうえで、報告書を作成する予定であった。しかしながら、以下の四つの理由により、次年度の繰り越し申請を行ったうえで、次年度使用額を確保した。第一は、タイ班のデータ・クリーニング作業に時間を要し、単純集計結果を年度内に出すことができなかった。第二に、インドネシア班の分析で難航し、現地報告会の開催も年度末の2月末となったことで、コメントを原稿執筆に反映する時間が十分確保できなかった。第三に、タイ班の作業の遅れから、東南アジア三カ国比較分析作業を進めることができなかった。そして第四に、以上三つの理由から、商業出版に持ち込むための報告書を作成することができなかったためである。
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次年度使用額の使用計画 |
当初の研究計画を次年度中に完了させるため、以下の活動に研究費を使用する予定である。 第一に、タイ班の単純集計作業と分析作業を進めるため、班会議を何度か開催する(約5万円)。また、目的変数として重要な財政データの入力作業費用(謝金約15万円)や自治体賞に関するデータ収拾のためタイ出張費に充てる(約20万円)。第二に、全体会議を開催し、ペーパーのブラッシュアップを務めるため、英文プルーフリード費用を確保する(約20万円)。そして第三に、報告書の印刷・製本費用として、約5万円を確保する。 以上の作業のうち、第一と第二の作業は年度前半に行い、第三の作業は年度後半に行う予定である。
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