研究課題/領域番号 |
25283012
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
長與 進 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (40172564)
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研究分担者 |
家田 修 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 教授 (20184369)
中澤 達哉 東海大学, 文学部, 准教授 (60350378)
飯尾 唯紀 城西大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80431352)
神原 ゆうこ 北九州市立大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50611068)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 民族共生 / ドナウ中流域 / EU統合 / ハンガリー / スロヴァキア |
研究実績の概要 |
第3年度(平成27年/2015年)は、7月4日に東京(早稲田大学)で科研メンバーの第5回打ち合わせ会を開き、翌月のパネルの下準備と予行演習を行った。7月に英文報告集第2集(Osamu Ieda and Susumu Nagayo (ed.) Transboundary Symbiosis over the Danube. II: Road to a Multidimensional Ethnic Symbiosis in the Mid-Danube Region. Slavic Eurasian Studies, No. 29, Slavic-Eurasian Research Center, Hokkaido University, Sapporo, July 2016)を刊行した。8月3日―8日に千葉県幕張で開かれた中東欧研究国際協議会 (ICCEES) の第9回世界大会で、招聘外国人研究者を交えたパネルを組織した(パネルのタイトルはTransboundary Symbiosis over the Danube: EU Integration between Slovakia and Hungary from a Local Border Perspective、8月4日)。この機会にバルナバーシ・ヴァイダ氏(シェイェ大学・コマールノ・スロヴァキア)とM・M・ストラーリク氏(オタワ大学・カナダ)を招聘した。あわせて研究分担者の家田修氏と飯尾唯紀氏を、現地調査のためにハンガリーに派遣した。年度末の3月28日に北九州市(北九州市立大学)で科研メンバーの第6回打ち合わせ会を開いた。おもな議題は、2016年夏に予定している共同の第3回現地調査と、コマールノでの第3回国際ワークショップの打ち合わせであったが、同時に中間外部点検評価の試みとして、福田宏氏(愛知教育大学)と辻河典子氏(近畿大学)を招いて、本年度に刊行された英文報告集第2集をおもな検討材料として、忌憚のない批判を仰ぎ、残された2年間をいっそう有効活用するための機会とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の2015年度「研究実績」で述べたように、所期の計画をすべて実施しており、英文報告集もすでに2冊を刊行した。残る二年間の活動を余裕をもって実現できる体制を整えている。
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今後の研究の推進方策 |
第4年度(平成28年/2016年)は7月2日に科研メンバーによる第7回打ち合わせ会を開く(早稲田大学の予定)。おもな議題は、9月に実施予定の共同の第3回現地調査と、コマールノでの第3回国際ワークショップの具体的プログラムの確定である。暫定の旅程は次の通り。-9月7、8日頃にコシツェに集合し、同市を起点にして東部スロヴァキアのマジャール系組織の拠点をまわる。―予定している訪問先は、コシツェ;クラーリョウスキー・フルメツ;スロヴェンスケー・ノヴェー・メスト/シャートラヤウーイヘイ;ロジニャヴァなど。9月12日にコマールノのシェイェ大学で、ドナウ中流域の民族共存をテーマとした第3回国際ワークショップを開催する。前回同様、シェイェ大学のスタッフと緊密な協力のもとに実施し、招聘講師としてはスロヴァキア側からは前回と同様の3名―ドゥシャン・コヴァーチ、ガブリエラ・ドゥデコヴァー(いずれもブラチスラヴァの歴史学研究所)、シチェファン・シュタイ(コシツェ、シャファーリク大学)、マジャール側からはバルナバーシ・ヴァイダとイシュトヴァーン・サルカのほか、バラージュ・トレンチェーニ(ブダペシュト、中欧大学)に打診中。ワークショップ終了後、ハンガリー領に入り、シャーロシパタク、ミシコルツなど北東部のスロヴァキア系が多い地域をまわる。9月17、18日頃にブダペシュトで解散予定。ただし本科研グループとして協力しているロンドン大学スラヴ東欧研究所との連携プログラムの日程の都合で、旅程全体を数日後ろにずらす可能性がある。ワークショップでの口頭発表に基づいて、年末を原稿提出の締め切りとして英文報告集第3集を刊行する(年度内の刊行をめざすが、次年度にずれこむかもしれない)。2017年3月には第8回打ち合わせ会を城西大学(埼玉)で開く予定。最終年度に予定する国際シンポジウムの企画についての相談が中心議題となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
2014年度に若干の予算不足が見込まれたために、2015年度から20万円の前倒し金の支払いを受けたため。
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次年度使用額の使用計画 |
2015年度の科研費からの前倒し金は、比較的少額(20万円)であり、かつ2014年度から18万6220円が直接経費として使い残されたので、2015年度の研究遂行に障害は生じなかった。
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