研究課題
基盤研究(B)
西洋13世紀以降の盛期・後期スコラ哲学には、キリスト教を基本的な背景としながらも、古代ギリシアのアリストテレスを共通の参照枠とした豊かな倫理思想が展開されていた。本研究はトマス・アクィナス、フォンテーヌのゴドフロワ、ゲントのヘンリクス、ドゥンス・スコトゥス、ビュリダンの倫理学において、認知的機能をも有する「思慮・賢慮(prudentia)」という徳がどのような役割を持っているかを明らかにしようとした。同時に、現代の徳倫理学と中世スコラの倫理思想との関連の一端を解明した。
西洋中世哲学