研究課題/領域番号 |
25284032
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館 |
研究代表者 |
伊藤 信二 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, 室長 (00443622)
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研究分担者 |
塚本 麿充 東京大学, 東洋文化研究所, 准教授 (00416265)
土屋 貴裕 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 主任研究員 (40509163)
高木 結美 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, アソシエイトフェロー (70647908) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 繍仏 / 図像 / 技法 |
研究実績の概要 |
3年目にあたる本年度は、主として日本国内に所在する中世~近世の繍仏作品について、実見調査を実施した。主要な作品は以下の通りである。 刺繍釈迦三尊図(山梨・久遠寺所蔵 鎌倉時代・14世紀)、刺繍阿弥陀三尊来迎図(山梨・九品寺所蔵 室町時代・15世紀)、刺繍十羅漢図(福岡・個人蔵 江戸時代・18世紀か)、刺繍釈迦誕生図(長崎・最教寺 江戸時代もしくは中国清時代 18世紀)、刺繍両界曼荼羅図(福井・西福寺 南北朝時代・14世紀)、刺繍釈迦涅槃図(石川・弘願院 江戸時代・天和3年=1683年)、刺繍阿弥陀三尊図(石川・西福寺 平安時代・12世紀か) このうち、山梨・久遠寺所蔵の刺繍釈迦三尊図は、中尊釈迦如来、及び脇侍の騎獅文殊菩薩、騎象普賢菩薩のいわゆる釈迦三尊図が刺繍であらわされた作品であり、本調査とは別にプロジェクト責任者が調査に係わった結果、平成25年に山梨県指定文化財に指定された。今回改めてより詳細な事件調査と写真撮影を実施し、本件の刺繍技法が極めて緻密であり、また使用される色糸の数も多彩であり、また仏教絵画の画像としてみても、画風が整っていることから、現存する中世繍仏の中でも初期に属すると判断されることなどが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
海外に所在する作品の調査を計画していたが、日程など調整の不調により実施が不可能となった。 また研究分担者1名が転職により研究計画から離脱することとなったため、計画どおりの遂行ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き国内所在の作品の実見調査を実施するとともに、予定している海外所在作品の調査を遂行する。28年度は研究分担者を2名増員して調査研究に当る。 研究代表者が28年4月1日をもって所属機関を異動となり、勤務地が東京から京都へと移った。研究分担者間の連携が疎かにならないように留意したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外所在の作品について、所蔵先との日程ほか調整が不調に終わったため、調査が実施できなかった。 研究分担者1名が転職のため、研究プロジェクトから離脱することとなり、調査が計画通りに遂行できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
海外所在(具体的には中国およびチベット)の作品調査を実施する。 研究分担者を2名増員して調査研究に当る。
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