研究課題/領域番号 |
25284046
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
川田 都樹子 甲南大学, 文学部, 教授 (00236548)
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研究分担者 |
三脇 康生 仁愛大学, 人間学部, 教授 (40352877)
服部 正 甲南大学, 文学部, 准教授 (40712419)
西 欣也 甲南大学, 文学部, 教授 (70388750)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 芸術学 / 芸術療法(アートセラピー) / 医療の歴史 / アウトサイダーアート / アール・ブリュット / 障がい者福祉 / 美術史 / 美術制度 |
研究実績の概要 |
・公開研究会を以下の通り計3回開催した。「第6回、甲南アーツ&セラピー研究会:カナダの教育・医療の分野でのアートセラピーの実際」(7月11日、於甲南大学)、「第7回、甲南アーツ&セラピー研究会:これからのダンスと健康について語ろう」(3月30日、於甲南大学)、公開研究会「トラウマと死せる言語の美しさ:キーツとフロイトにおける〈想起〉と〈記憶〉の競合(2月13日、、於甲南大学)。それぞれ多数の参加者、協力者を得て、芸術理論と、臨床心理学に根差した芸術療法の知見との創造的対話が深まった。 ・地域貢献実践プログラムとしての「甲南アトリエ」は、第2回「親子孫子で楽しむアート~和紙を使った紙版画に挑戦~」(7月18日、於甲南大学)と第3回「親子孫子で楽しむアート~和紙のランプシェードであかりをともそう~」(1月30日、於甲南大学)を開催した。 ・また、東福寺敷地内の森田療法入院施設「三聖病院」の閉鎖・取り壊しに伴い、そこでの医療実践の資料収集と調査研究を継続しており、芸術家の協力によって、平成28年度秋に展覧会とシンポジウムとの形式での公表を予定している。この日本の芸術療法の特殊性の検討も本研究の課題であり、現在進行中である。 ・平成27年度末に刊行された甲南大学人間科学研究所紀要『心の危機と臨床の知vol.17』には、研究代表者と研究分担者3名全員と連携研究者1名がそれぞれ論文を投稿し、これまでの研究の深化を公表した。また、各研究者が所属する学会での発表や、各種雑誌論文の投稿によって、本共同研究の成果が公表された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述のとおり、公開研究会計3回、実践プログラム計2回と、着実に研究会等を重ね、その都度、科研メンバー間のみならず、広く外部の関係者からの参加も得ることができ、本研究の目的である芸術理論と、臨床心理学に根差した芸術療法の知見との創造的対話が深まっており、関係者間の人脈も広がっている。また、実践プログラム「甲南アトリエ」によって研究成果を地域に還元しているが、毎回収容定員を超える参加応募者があり、この活動は地域でも好評である。 歴史研究に関しては、平成27年度は文献研究を中心に進めることにし、年度内に予定していた国内施設の見学とインタビュー調査は、その一定の知識基盤の確立後に行うことにしたため、次年度に延期することになったが、本研究メンバー間での情報と問題意識の共有によって、知識基盤の形成はほぼ整ったと言える。また、東福寺三聖病院の森田療法に関する調査研究と資料収集も着実に進んでおり、研究成果の公表方法として展覧会形式を導入するという次年度に向けての画期的な計画も立った。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者(川田)、研究分担者(三脇、西、服部)、連携研究者(石谷、市来、今井)、研究協力者(安濟順子、石原みどり、小林昌廣、高岡智子、内藤あかね、宮川貴美子、畑中麻子)を最終年度は「アートセラピーの発展とその歴史の調査」の成果を総括し公表するために次の4つの班単位で活動する。「理論研究」班(川田、西、服部、石谷、高岡、小林)、「歴史調査」班(川田、三脇、服部、安齊、畑中)、「ワークショップ実践」班(内藤、市来、石谷、宮川、畑中)、「展覧会+シンポジウム企画運営」班(川田、西、服部・三脇)。調査や史料研究で得られた結果は、まず各班で、さらに全研究メンバーで共有し、定例班会議と公開研究会を積み重ねながら、成果を取り纏め、積極的に公表していく。また、阪神地域の芸術療法士のネットワークづくりと連携強化のために「甲南アトリエ」をさらに展開し、ワークショップと研究会の公開によって実践的な地域貢献をさらに強化していく。さらにまた、現在計画中の、4班の連携による「美術展覧会(甲南大学ギャルリー・パンセ)と公開シンポジウムとの連動」という画期的な形式での研究成果報告は平成28年度秋に実現する。 年度末には全研究成果の集大成を論文集として出版する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
歴史研究に関して、平成27年度は文献研究を中心に進めることにしたため、年度内に予定していた国内施設の見学とインタビュー調査は、その一定の知識基盤の確立後に行うことにし、次年度に延期することになったため。 また年度末に行なった研究会等に関する未払いの謝金があるため。
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次年度使用額の使用計画 |
イギリスにおけるアートセラピーの発案者であるAdrian Hillの関連施設と作品の調査、その日本への移入に貢献した嬉野温泉病院(佐賀)にある「アートセラピー美術館」の調査、また、日本最古の精神科病院である松澤病院(東京)の精神医療博物館、等々の見学調査を行い、最終年度の報告書で成果を発表する予定である。 未払いの謝金はなるべく早急に支払う予定である。
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