研究課題
本年度は、上越市立総合博物館に寄託されている「榊原家史料」の内の3代、榊原忠次、4代、榊原政房、6代、榊原政邦の文芸、和歌・漢詩・和漢聯句・連歌・俳諧の調査・研究の一応の締めくくりを行った。具体的には上記の人々に関わる主立った創作資料を調査、写真撮影をし終え、その翻刻、分析を終えた。分担として和歌は廣木・山本、漢詩は堀川、和漢聯句は深沢、俳諧・連歌は尾崎が中心として行ったが、すべての調査・翻刻・研究などは全員で確認、その齟齬を討議した。特に林家の関係は堀川、隣国の真田との相違は玉城、宗因関係は尾崎、政邦と『奥の細道』の関係は山本が中心となって行い、その総括を廣木がなした。忠次に関しては、その詠草類は「浄晃院様御詠草」という名で一括されているものを、調査・翻刻・研究、大名家、林家などとの文芸交流を明らかにし、政房に関しては、私家集『政房公御詠草』を調査・翻刻・研究、父の忠次に引き続いての大名、林家などとの密接な関係、豊かな文学性を確認できた。政邦に関しては、その創作活動が上記の二名以上に盛んであること、生涯を通じて和歌を詠み続け、漢詩や俳諧発句にも作品を残していることなど、その質はともかく、榊原家の文芸愛好の集大成のようなあり方を示していることを確認でした。これらの研究・翻刻は2017年3月に『榊原家の文芸 忠次・政房・政邦』として刊行した。内容は廣木一人「榊原家史料について」「忠次・政房・政邦の文芸に関する先行研究」「榊原忠次・政房の池之端屋敷とその文芸圏」「参考文献」「翻刻書解題」、山本啓介「榊原政邦の和歌─『榊葉和歌集』『千流一滴集』を中心に─」、深澤真二「榊原家史料の漢和聯句について」、尾崎千佳「歳旦書付から歳旦帖へ─近世初期の歳旦をめぐって」および、「浄晃院様御詠草」「一掬集」「政房公御詠草」「榊葉和歌集」「千流一滴集」「嶺松院様集」の翻刻である。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (15件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件、 招待講演 9件) 図書 (3件)
青山語文
巻: 47 ページ: 1-14
『日本詩歌への新新視点』
巻: 無 ページ: 1-25
緑岡詞林
巻: 41 ページ: 43-86
『ともに読む古典 中世文学編』所収(p.150~162)
巻: 無 ページ: 150-162
斯道文庫論集
巻: 51 ページ: 63-105
愛知県立大学文字文化財研究所紀要
巻: 3 ページ: 3-24
巻: 47 ページ: 37-52
新大国語
巻: 39 ページ: 1-23
松代
巻: 29 ページ: 52-67
近世文学研究
巻: 1 ページ: 10-25
『ことばの魔術師西鶴 矢数俳諧再考』
巻: 無 ページ: 127~163
かがみ
巻: 47 ページ: 26-52
中世文学
巻: 61 ページ: 27-35
観世
巻: 83-8 ページ: 32-39
『ことばの魔術師西鶴―矢数俳諧再考』
巻: 無 ページ: 69-98