研究課題/領域番号 |
25284059
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
新井 潤美 上智大学, 文学部, 教授 (70222726)
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研究分担者 |
西川 克之 北海道大学, 大学院・メディアコミュニケーション研究院, 教授 (00189268)
松本 朗 上智大学, 文学部, 准教授 (00365678)
小山 太一 専修大学, 商学部, 准教授 (00406670)
佐々木 徹 京都大学, 文学研究科, 教授 (30170682)
丹治 愛 法政大学, 文学部, 教授 (90133686)
草光 俊雄 放送大学, 教養学部, 教授 (90225136)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ヘリテージ映画 / アダプテーション研究 / ナショナル・アイデンティティ |
研究実績の概要 |
平成26年度は、5月、7月、8月、12月、1月の合計5回の研究会(内1回は1泊2日)を開催した。順番にあげれば、1)篠崎 実(千葉大学 文学部教授)「シェイクスピアと映画」ではHamlet上演と映画化、2)前 協子(日本女子大学 非常勤講師)「『贖罪』におけるタリス邸:継承・楽園・贖罪の意味」では、Ian McEwanのAtonementとその映画化、ピーター・ソーントン(中央大学助教)「Adapting Gatsby 」では、FitzgeraldのThe Great GatsbyとBaz Luhrmanのその映画化、講師: 小山 太一(専修大学准教授)「ジョイス・ケアリー『馬の口』の映画化」では、CaryのThe Horse's Mouthとロナルド・ニーム監督によるその映画化、末廣 幹(専修大学教授)「‘I’m willing to tell you. I’m wanting to tell you. I’m waiting to tell you’ ―『ピグマリオン』の映画化と〈映像〉が語る物語」では、ShawのPygmalionとその舞台化と二つの映画化、安藤エレナ(中央大学非常勤講師)「‘Exotic Strangers in British Film: Symbols of Change and Enrichment’ 」ではBirthday Girl や Ladies in Lavenderといった現代のイギリス映画のなかの外国人表象を、それぞれあつかった。 その都度、映画を観ながら、ディスカッションを行ない、具体的な映画の解釈、アダプテーションの分析から、映画の技法や映像の解釈、テーマ論(現代イギリス映画における他者の表象)、ジャンル論(ヘリテージ映画とは何か)など、さまざまな問題をあつかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全部で5回の研究会をこなし、全体で具体的な討議の対象とした作品も7-8本にのぼり、その間、映画についてのさまざまなアプローチをこころみた。また、英文学教育への映画の活用など、周辺的なテーマについても議論をし、有益な知見を共有することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後もこれまでどおりのペースで研究会を重ねていくが、それとともに、研究の著作化にむけての議論的な計画にも着手したい。また、ヘリテージ映画とは何かについて、ヘリテージ映画というジャンル設定の問題性がかなり明らかになってきているが、それを踏まえてあらためてそのジャンルの定義の努力もつづけたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
全体的な研究の進捗状況・経費の使用状況にかんしては順調であるが、一部のメンバーは3年目以降の外国での資料収集などに、より多くの経費を割くために(円安などの影響もあり、夏休み期間中のロンドン滞在は経済的負担が目に見えて増大している)、執行を遅らせている。
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次年度使用額の使用計画 |
1年目の「次年度使用額」とほぼ同じ金額となったが、3年目に少なくとも3人のメンバーが海外での資料調査を計画しているため、あえて次年度使用額を作った面もある。3年目には順調に使用していくことになると考えている。
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