研究課題
本年度は、これまでの研究会での口頭発表などをまとめて、それぞれのメンバーが研究会の外での口頭発表、シンポジウム、論文投稿をとおして、積極的な成果の発信をおこなった。具体的にいえば、新井はジェイン・オースティン作品の映画化について3本の論文をまとめて発表するとともに、観光にかんして1本の論文と1本の口頭発表をおこなった。丹治は、関東支部大会において、「ヘリテージ映画と国家のイメージ それはいかに原作をアダプトしているのか」というシンポジウムをオーガナイズし、そのなかでカズオ・イシグロの『日の名残り』を原作とした映画『日の名残り』について口頭発表した。また、2018年度に出版される映画論の著書のために、ヘリテージ映画の定義にかんする論考をまとめた。松本は、『イギリス文学と映画』と『英国ミドルブラウ文化研究の挑戦』を編集(ともに共編)するとともに、そこに『テス』(ポランスキー監督)と『サウス・ライディング』の映画化についてを論文を寄稿した。西川は観光学の立場から、ヘリテージのイメージ化をめぐる論考を発表した。連携研究者の加藤は昨年度、本研究会で発表した論考をまとめたカズオ・イシグロ原作の『上海の伯爵夫人』を都留文科大学の紀要に寄稿した。そのうえで、年度末(3月29日)には最終シンポジウム(「ヘリテージ映画をめぐって――研究のこれまでとこれから」)を開催し、これまでの研究の総括として、ヘリテージ映画とは何か、それはどのような共通の特徴(歴史観、国家観、美学などにおける)をもっているか、ヘリテージ映画の名づけ親であるヒグソンの定義の問題点はどこにあるか、といった多様な観点からヘリテージ映画について活発に議論した。そのなかで共有されたことがらの一部については、丹治が最終報告書のなかで簡単に紹介し、かつ、中央大学出版部から出版される著作のなかで詳細に論じることになるだろう。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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『カナダ文学研究』
巻: 第25号 ページ: 47-66
『比較文学研究』(東大比較文学会)
巻: 第103号 ページ: 69-83
『ユリイカ』
巻: 2017年12月号 ページ: 158-68
『ヴィクトリア朝文化研究』
巻: 17巻 ページ: .93-98
Dickens Studies Annual
巻: Vol. 48 ページ: 181-190
『アルビオン』
巻: Vol. 63 ページ: 15-41
CATS 叢書
巻: 11巻 ページ: 47-53