研究課題/領域番号 |
25284064
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
國分 俊宏 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (70329043)
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研究分担者 |
谷口 亜沙子 獨協大学, 外国語学部, 准教授 (10453995)
三ツ堀 広一郎 東京工業大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (40434245)
渋谷 豊 信州大学, 人文学部, 准教授 (70386580)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | フランス文学 / 現代文学 / 戦争 / 歴史 / 記憶 |
研究実績の概要 |
最終年度となる2015年度は、これまでの研究の総括として、2015年11月28日、東京工業大学にて、外部の研究者一人をゲストに招き、こちらの研究代表者・分担者全員で討議するシンポジウム(公開研究会)を開催した。その準備を兼ねて9月14日、青山学院大学にて研究セミナーを開催し、各人がこれまで研究期間全体を通じて研究してきた自身の研究課題についてまとめ、発表を行った。 代表者の國分は、ヴェルディヴ事件を題材とした小説作品と映画作品に主に取り組み、国家の負の記憶と文学の関係を考察した。 分担者の渋谷豊は、家族の系譜にこだわる作家ジャン・ルオーを中心に第二次世界大戦の表象の一例を検討した。 同じく分担者の谷口亜沙子は、2013年の生誕百年に再刊されて急速に再評価が進んだ作家シャルロット・デルボを取り上げ、女性による収容所の証言について研究を行った。谷口はまた2015年9月に渡仏し、第二次大戦についてのドキュメンタリー作家の第一人者であるミカエル・プラザン監督に面会し、最新作『ダス・ライヒ』および現在準備中の作品について話を聴く機会を得た。いずれも近年になって脚光を浴びている作家であり、このテーマにおける先端の成果と言える。 同じく分担者の三ツ堀広一郎は、パトリック・モディアノやクリストフ・ボルタンスキを題材に、第二次大戦中フランスのユダヤ人が経験した苦難についての文学的成果を掘り下げた。三ツ堀はまた2015年11月に渡仏し、パリ第4大学のジャン=フランソワ・ルウェット教授と面会し、ヴィシー時代のフランスに関する研究について意見交換し、研究上のアドバイスを得た。 シンポジウムにゲストとして来ていただいた安原伸一郎・日本大学准教授からは、第二次大戦中のフランスの子どもたちをめぐる表象に関する研究発表をしていただき、歴史と文学をめぐる問題についてきわめて幅広い様々な角度から討議を行うことができた。
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