研究課題/領域番号 |
25284072
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研究機関 | 新潟県立大学 |
研究代表者 |
波田野 節子 新潟県立大学, その他, 名誉教授 (50259214)
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研究分担者 |
山田 佳子 新潟県立大学, 国際地域学部, 教授 (10425366)
五味渕 典嗣 大妻女子大学, 文学部, 准教授 (10433707)
芹川 哲世 二松學舍大學, 文学部, 教授 (40216552)
永島 広紀 佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (50315181)
三ツ井 崇 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (60425080)
熊木 勉 福岡大学, 人文学部, 教授 (70330892)
渡辺 直紀 武蔵大学, 人文学部, 教授 (80409367)
坪井 秀人 国際日本文化研究センター, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (90197757)
沈 元燮 獨協大学, 国際言語文化学部, 教授 (80386698)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 朝鮮近代文学 / 日本語創作 / 植民地の文化 / 帝国と植民地 / 帝国の言語 / 「国際研究者協力」韓国 / 「国際情報交換」韓国 / 「国際研究者協力」米国 |
研究実績の概要 |
本共同研究では、朝鮮近代文学における日本語創作の問題を様々な角度から検討して新たな知見を求めるため、言語環境・映画芸術・メディア・歴史・宗主国の日本文学との比較など、多様な領域からのアプローチを試みている。(1)第2年目である今年度は、メイン事業として7月5日と6日の2日間、新潟県立大学を会場に国際ワークショップ「植民地期朝鮮の文学・文化と日本語の言説空間(2)」を開催した。米国から1人、韓国から20名以上を含む40名の研究者が参加し、様々なテーマについて話し合った。多角的なアプローチによって見えてくるのは、朝鮮近代文学における日本語創作が植民地末期の日本語創作強制問題にとどまらず、時間的にも空間的にもはるかに大きな問題であるという事実である。1910年の日韓併合以前から始まっていた朝鮮半島への日本語浸透、朝鮮の近代的文体成立に及ぼした影響、また同じく日本の植民地であった台湾や傀儡だった満州国における日本語創作との関連、そして文学だけでなく映画を代表とする芸術メディアなど、あらゆる場所で、日本語が深い痕跡を残していることが明らかになり、「日本語創作」という切り口から、近代東アジア研究のこれまでとは違った様相露出することが再認識された。(2)11月に満州文学を中心に台湾・朝鮮文学との比較研究を行なっているハーバード研究員のシェ・チオン氏から「満州から見る近代韓国文学」の講演をしていただき満州と朝鮮文学との関わりについて討論した。(3)2015年3月、研究協力者であるデューク大学のKweon Nayong教授が中心となって上海のデューク・クンサン大学で主催したワークショップ「Empire & Language: Translingual Inter-Asia」に共同研究者たちが集まって「帝国と言語」について討論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前述の実績に加え、もう一つ副次的な目的である研究者の国際ネットワークの構築についても、大きな成果をあげることができた。本年度は共同研究2年目で、共同研究者たちは昨年開催した国際シンポジウムを通して互いの研究と関心を知っていたために、今回のシンポジウムではさらに深い議論を行うことができた。「日本語創作」という植民統治期の微妙な問題を扱っているにもかかわらず日韓の研究者たちが和気あいあいと討論することができるのは、実証的なっ研究方法もさることながら、参加期間中のワークショップと懇親行事を通して作られた信頼関係がその基盤にあるからである。互いの論文内容を知るだけでなく直接の討論を重ねながら研究者ネットワークを構築するという副次的な目的は十分に達成されたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である平成27年度には、国際シンポジウム「植民地期朝鮮の文学・文化と日本語の言説空間(3)」を7月第1週末に福岡大学で開催し、この2年半で得られた知見を報告し討論をおこなう。また10月には中野重治との関係で有名なプロレタリア詩人で映画と評論でも活躍した林和をテーマに林和学会と共催で林和国際シンポジウムを開催する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新潟での国際シンポジウムにかかる経費支出が抑えられた。また参加者が交通費の倹約に協力したこともあって余裕ができた。
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次年度使用額の使用計画 |
来年度は最後の年度なので報告書作成を考えている。また例年おこなう国際シンポジウムの3回目のほかに林和学会と共催で国際シンポジウムを開催する。
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