研究課題/領域番号 |
25284074
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
野町 素己 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 准教授 (50513256)
|
研究分担者 |
三谷 惠子 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (10229726)
長與 進 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (40172564)
橋本 聡 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (40198677)
山本 真司 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (50251559)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | スラヴ語学 / マイノリティ / 言語政策 / 社会言語学 / 言語学 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、前年度に引き続き現地調査を行った。長與はコシツェ(スロヴァキア)の古文書館で東スロヴァキアの言語的分離主義の資料を収集した。橋本は他の共同研究に関わる海外現地調査をチェコおよびスロヴァキアで行い、各地の古文書館で資料収集を行った。野町はカシュブ地方(ポーランド)においてカシュブ人の言語状況、またバナト地方(セルビアおよびルーマニア)でカトリック教徒のブルガリア人の標準語についての聞き取り調査を行った。三谷はボスニア各地でウクライナ人マイノリティについての調査を行った。山本は健康上の問題を抱えているため、主に文献に基づいてレジア地方のスロヴェニア人の言語問題の分析に取り組んだ。 これらの研究成果を踏まえて、各自国際学会や国際ワークショップにおいて研究報告をした。特筆すべきは、ゲント大学(ベルギー)のスラヴ・東欧研究センターとの共催で、平成27年1月30~31日に国際シンポジウム「ヨーロッパとそれ以外の文脈におけるスラヴのマイノリティとその文章語:現状と挑戦」(於:早稲田大学)を開催したことである。9か国から計17人が参加し、多様なスラヴ系マイノリティの言語問題を中心に研究発表・討論を行った。続いて、平成27年2月3日には長與と橋本を中心に、東スロヴァキアの言語状況に関する国際ワークショップを組織した(於:北海道大学)。平成27年2月4日にはアメリカの若手言語学者ボヤン・ベリッチ氏を招聘し、セルビア語を題材に、標準語形成の一般論に関する講演会を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成26年度は、平成27年秋以降になると予想されていた研究書The Palgrave Handbook of Slavic Languages, Identities and Bordersの編集作業が概ね終了し、平成27年夏に本科研の研究成果として公開できる。また、平成27年1月30~31日に行われた国際シンポジウムの研究論集の編集作業も、比較的早いペースで進んでおり、平成27年度には研究成果として刊行出来ると予想されるため。
|
今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、これまでの研究および現地調査を継続するとともに、千葉県幕張市で開催される第9回国際中欧・東欧研究協議会を中心とするさまざまな国際会議において研究成果を公開する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
・残額300,000円は、研究分担者の橋本が、計画していた海外現地調査(ポーランド)を健康上の理由により行うことができなかった為生じたものである。 ・残額182,229円は、海外現地調査にかかる旅費を節約することができた為生じたものである。
|
次年度使用額の使用計画 |
・残額482,229円は、平成27年8月3日~8日に千葉県幕張市で開催される第9回国際中欧・東欧研究協議会で組織するパネルおよびラウンドテーブルへの参加者の交通費・滞在費に使用する予定である。
|