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2015 年度 実績報告書

危機言語のデータ・アーカイブ作成のための試み―韓国語済州方言を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 25284078
研究機関京都大学

研究代表者

千田 俊太郎  京都大学, 文学研究科, 准教授 (90464213)

研究分担者 田窪 行則  京都大学, 文学研究科, 教授 (10154957)
金 善美  天理大学, 国際学部, 准教授 (20411069)
梶田 将司  京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (30273296)
鄭 聖汝  大阪大学, 文学研究科, 講師 (60362638)
元木 環  京都大学, 学術情報メディアセンター, 助教 (80362424)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード言語学 / 危機言語 / 少数言語 / 言語アーカイブ / 韓国語・朝鮮語 / パプア諸語
研究実績の概要

システムについては昨年度大幅な変更があったため今年度は主に微調整を続けた。動画・音声に対する多言語字幕は軌道に乗ったといえる。
言語記述班は全員ほぼ予定通りの調査ができ、それぞれ音声、テキスト、写真付き語彙集などの資料を収集・整理した。電子博物館コンテンツ関連ではこれまで通り言語の資料を集めたほか、済州島の済州民俗自然史博物館で許可を得て、民族誌に関わる資料の写真撮影も行なった。これらは作成中の民族誌記述と合わせて博物館で公開する予定である。済州方言の字幕付き音声も公開準備ができた(金)。分類語彙集のデータ整理を進め、コンテンツとは別の成果についても論文・書籍や口頭発表の形で公開している。国際学会でも成果を発表した(千田、田窪、鄭)。
韓国から二人の専門家を招聘して二日にわたる国際講演会(使用言語は一日目は朝鮮語、二日目は英語)を開催し、学内外の専門家と意見を交換した。一人は韓国の言語アーカイブのプロジェクトを主導したコ・ドンホ教授(全北大)で、アーカイブやフィールドワークの技術的な側面と、済州方言音韻論の体系記述に関する研究についてお話しいただいた。もう一人はキム・ジホン教授(慶尚大)で済州方言の形態論について二度にわたって講演いただいた。二日目は言語記述研究会と共同開催の形を取った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

一部計画を前後して進めることになった。済州方言の表記に必要なフォントに関する検討は次年度も引き続き行なう必要がある。しかし解決の見通しはついており、そのための予算を基金分で繰り越してあるので問題にはならない。

今後の研究の推進方策

次年度は最終年度であり、システム班は、電子博物館のウェブ上ならではの機能を安定させるとともに、紙媒体への出力を念頭に作業を続ける。言語記述班はこれまでに集めた資料を整理してコンテンツの拡充をはかる。

次年度使用額が生じた理由

主にシステム面での作業を最終年度に終えられるように次年度に予算を繰り越す必要があった。例えば済州方言の表記に必要なフォントに関しては、情報収集と解決策について検討したが、多言語字幕の改良と同時に進める必要があり、予算を考えると拙速にことを運べない。これは採用時の減額に関わる調整であり、計画の立て直しにあたる。

次年度使用額の使用計画

今年度立て直した計画通りに使用する。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件) 図書 (3件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [雑誌論文] 東シンブー諸語の所有者人稱接尾辭について2016

    • 著者名/発表者名
      千田俊太郎
    • 雑誌名

      ありあけ

      巻: 15 ページ: 1-40

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 韓国語の「-keyss-」と「-ul kesi-」の出現を決定する情報の登録領域について-直示性の観点から-2016

    • 著者名/発表者名
      金善美
    • 雑誌名

      ありあけ

      巻: 15 ページ: 41-58

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 統語論の自律性について2016

    • 著者名/発表者名
      田窪行則
    • 雑誌名

      (藤田耕司・西村善樹編)日英対照・文法と語彙への統合的アプローチ

      巻: 0 ページ: 0

  • [学会発表] 韓国語における二種類の属格について2016

    • 著者名/発表者名
      鄭聖汝
    • 学会等名
      平成27年度国際共同研究促進プロジェクト研究会
    • 発表場所
      ライス大学
    • 年月日
      2016-02-17
    • 国際学会
  • [学会発表] Dom語記述研究wa言語類型論2016

    • 著者名/発表者名
      千田俊太郎
    • 学会等名
      韓國言語類型論學會
    • 発表場所
      ソウル大學
    • 年月日
      2016-01-11
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 現代韓国語の疑問形式-kkaの成立と文タイプー慶尚・済州方言を手掛かりにー2015

    • 著者名/発表者名
      鄭聖汝
    • 学会等名
      日本語疑問文の通時的・対照言語学的研究プロジェクト
    • 発表場所
      国立国語研究所
    • 年月日
      2015-12-20
  • [学会発表] Issues in the verbal morphophonemics of Ikema Ryukyuan2015

    • 著者名/発表者名
      田窪行則
    • 学会等名
      Phonology Forum
    • 発表場所
      Osaka University
    • 年月日
      2015-08-19
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 日本語の「消失文」における属格の場所名詞句の性質についてー中国語との比較を通してー2015

    • 著者名/発表者名
      鄭聖汝
    • 学会等名
      第4回中日韓朝言語文化比較研究国際シンポジウム
    • 発表場所
      延辺大学
    • 年月日
      2015-08-19
    • 国際学会
  • [学会発表] 宮古方言の形態音韻論-動詞形態論を中心に2015

    • 著者名/発表者名
      田窪行則
    • 学会等名
      関西言語学会第40回大会
    • 発表場所
      神戸大学
    • 年月日
      2015-06-14
  • [図書] 琉球諸語と古代日本語2016

    • 著者名/発表者名
      田窪行則、ジョン・ホイットマン、平子達也編
    • 総ページ数
      312
    • 出版者
      くろしお出版
  • [図書] 日英対照・文法と語彙への統合的アプローチ(藤田耕司・西村善樹編)2016

    • 著者名/発表者名
      田窪行則
    • 総ページ数
      印刷中(執筆担当「統語論の自律性について」、「知識ベースの構造について」)
    • 出版者
      開拓社
  • [図書] 琉球諸語 記述文法 Ⅱ2016

    • 著者名/発表者名
      中川奈津子、タイラー・ラウ、田窪行則
    • 総ページ数
      60
    • 出版者
      琉球語記述文法研究会
  • [学会・シンポジウム開催] 2015年度韓国語済州方言記述に関する京都講演会2015

    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2015-11-07 – 2015-11-08

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公開日: 2017-01-06  

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