研究課題/領域番号 |
25284101
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
望月 圭子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (90219973)
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研究分担者 |
野田 尚史 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究・情報センター, 教授 (20144545)
佐野 洋 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (30282776)
堀内 仁(堀内仁) 国際教養大学, 大学院グローバル・コミュニケーション実践研究科日本語教育実践領域, 准教授 (40566634)
小柳 昇 東京外国語大学, 国際日本研究センター, 特任研究員 (40705860)
野村 恵造 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (60172813)
砂岡 和子 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (70257286)
迫田 久美子 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究・情報センター, 教授 (80284131)
申 亜敏 東京外国語大学, 国際日本研究センター, 特任研究員 (40723276)
于 康 関西学院大学, 国際学部, 教授 (90309401)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 外国語教育 / 学習者コーパス / 第二言語習得 / 母語別外国語教授法 / 英語誤用研究 / 中国語誤用研究 / 日本語誤用研究 / 対照言語学 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、北京大学・上海外国語大学・上海師範大学・台湾師範大学との連携で、母語が異なる学習者コーパス構築・誤用研究を行った。まず、英語学習者コーパスは、「日本語母語話者英語学習者コーパス」及び「中国語母語話者英語学習者コーパス」の2種類の英語学習者コーパスを構築、誤用分析を行った。さらに、中国語学習者コーパスについては「日本語母語話者中国語学習者コーパス」及びthe Test of Chinese as a Foreign Language作文コーパスに基づく「英語母語話者中国語学習者コーパス」の二種類の学習者コーパスを構築、誤用分析を行った。こうした誤用分析に基づき、特に文法上の誤用項目に着目した「オンライン英語誤用辞典」「オンライン中国語誤用辞典」の製作に着手した。 このように、母語が異なる英語・中国語学習者コーパスを対照して明らかになったことは、「母語の文法体系が第二言語習得に大きく影響する」という事実である。例えば、日本語の名詞句構造は、「限定詞」(Determiner)という統語的位置をもたないため、日本語母語話者英語学習者コーパスにおいては、「限定詞」の'a/the/this/my'等や、中国語の「一個(Yige)」「数詞+類別詞」の脱落が顕著な誤用例として観察される。さらに、日本語の名詞句と修飾句の意味関係は、「の」を用いた連体修飾が多様な意味関係を示すため、日本語母語話者英語習得においては、'of'の過剰使用が顕著である。これに対して、中国語母語話者の英語習得においては、「一個」に相当するoneの過剰使用がみられ、英語母語話者の中国語習得においては、「一個」の過剰使用が観察された。 こうした研究は、台湾師範大学・上海師範大学・ハーバード大学・日本中国語学会・上海外国語大学で開催された国際シンポジウムで発表し、国際連携強化が可能になった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成26年度は、北京大学・上海外国語大学・上海師範大学・台湾師範大学との連携で、母語が異なる学習者コーパス構築・誤用研究を行った。まず、英語学習者コーパスは、「日本語母語話者英語学習者コーパス」及び「中国語母語話者英語学習者コーパス」の2種類の英語学習者コーパスを構築・誤用分析を行った。次に、中国語学習者コーパスについては「日本語母語話者中国語学習者コーパス」及びthe Test of Chinese as a Foreign Language作文コーパスに基づく「英語母語話者中国語学習者コーパス」の二種類の学習者コーパスを構築、誤用分析を行った。さらに、特に文法上の誤用項目に着目した「オンライン英語誤用辞典」「オンライン中国語誤用辞典」の製作に着手した。 このように、母語が異なる英語・中国語学習者コーパスを対照して明らかになったことは、「母語の文法体系が第二言語習得に大きく影響する」という事実である。例えば、日本語の名詞句構造は、「限定詞」(Determiner)という統語的位置をもたないため、日本語母語話者英語学習者コーパスにおいては、「限定詞」の'a/the/this/my'等や、中国語の「一個(Yige)」「数詞+類別詞」の脱落が顕著な誤用例として観察される。 こうした研究は、台湾師範大学・上海師範大学・ハーバード大学・日本中国語学会・上海外国語大学で開催された国際シンポジウムで発表し、国際連携が強化され、当初の計画以上に研究が進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2015年度は、国際的なジャーナルや、中国で出版される書籍で、日本語・英語・中国語学習者コーパス分析についての論文が掲載される予定である。また、3年間の学習者コーパスの研究の総括として、東京外国語大学国際日本研究センター国際日本語教育部門と協働で、『母語に基づく外国語教育論文集』を発行し、国内外の研究分担者・研究協力者とともに、母語に基づく効果的な外国語教授法開発についての論文を掲載する予定である。 また、2015年度は、二つの国際シンポジウムを主催し、さらに多くの国内外の大学と連携をとる予定である。6月には、ハーバード大学・南カルフォルニア大学・台湾国立清華大学・香港中文大学及び国内の言語学者と理論言語学と学習者コーパス研究の相関性についてのワークショップ、8月には、国立台湾師範大学・ Pennsylvania State University・上海外国語大学と共催で教育科学についての国際ワークショップを主催し、研究成果が理論言語学的な見地からどのように説明されるのか、書き言葉学習者コーパスがCEFRの writingの評価にどのように活用されうるのか、アラビア語・ペルシャ語といった、さらに多言語の学習者コーパス構築・教授法開発といった新しい視点を展開していく予定である。さらに、7月は大学英語教育学会(JACET)、8月は北京における「2015年日本語の誤用及び第二言語習得研究国際シンポジウム」、11月は日本中国語学会でも発表を行う予定である。 英語・日本語・中国語のオンライン誤用辞典を完成させ、2016年2月には一般公開する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
英語学習者コーパスの英文添削を行う予定であったが、校閲者が26年度内に予定の量を仕上げることができなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度に収集した東京外国語大学・上海外国語大学からの英語学習者コーパスの英文添削の校閲謝金として用いる予定である。
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備考 |
上記のオンライン英作文学習者コーパス・誤用辞典は、今年度さらに、上海外国語大学・台湾師範大学英語科から提供された、同じ翻訳課題による英語学習者コーパスの誤用データも加えて公開する予定である。
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