研究課題/領域番号 |
25284103
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大木 充 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 名誉教授 (60129947)
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研究分担者 |
長野 督 北海道大学, その他の研究科, 教授 (30312408)
西山 教行 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (30313498)
西村 淳子 武蔵大学, 人文学部, 教授 (50198503)
姫田 麻利子 大東文化大学, 外国語学部, 教授 (50318698)
中村 典子 甲南大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70299064)
倉舘 健一 慶應義塾大学, 総合政策学部, 講師 (70407138)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 異文化間能力 / 異文化間能力養成 / 異文化間能力評価 / 異文化間教育 |
研究実績の概要 |
本研究事業の目的は,3つある。①「異文化教育」のための教材作成,②「異文化間能力」の(自己)評価基準の開発,③開発した教材と評価基準の有効性の検証。平成26年度はほぼ当初の予定通り実施した。1)①に関して,各分担者が異文化間能力養成のための教材を作成し,それを持ち寄って,検討した。言語のみならず文化に関する教材が集まったが,形式は完全には統一しないでそのまま用いることにした。2)②に関しては,Can do型とポートフォリオ型の資料を収集し,検討をした結果,二つの形は互いに欠点を補う関係にあるので二つの型の評価を平成27年度に行うことにした。また,異文化間能力の概念に関して,ヨーロッパとアメリカでは大きな違いがあることがわかった。前者は主にByramの3つのsavoirに関するるもので,後者は主にBennettの「異文化感受性発達」に関するものであるが,検討の結果,両方の能力の評価を行うことにした。それは,この事業では異文化間能力養成の授業に加えて,海外研修などの海外経験も射程に入れているからである。3)移民の児童を対象にした異文化間能力養成の授業をパリ18区にある公立小学校Hermelで見学した。また,パリの20区にあるCASNAV(ニューカマーの子どもおよびロマの子どものための学校教育センター)を訪れ責任者のClaudine Nicolas氏に異文化間教育に関してインタビューをするとともにCASNAVに関する資料を提供していただいた。4)国内外の学会で研究の概要および成果の中間発表を行った。詳しくは「研究発表 平成26年度の研究成果」を参照されたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究事業の目的のひとつ,「開発した教材と評価基準の有効性の検証」に関して,当初の計画では,評価基準の開発だけではなく,その有効性の検証も行う予定であったが,評価基準の収集と開発に時間がかかり,評価基準を実際に授業で用いてその有効性を検証することができなかった。評価基準の開発に時間がかかっているのは,当初改変して使用することを予定していたCARAPの評価基準は,教師が学習者の能力を評価するには問題はないが,大学生が自己評価するには抽象的すぎることが判明したからである。そして,あらためてCan do型の評価基準を収集する必要があった。
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今後の研究の推進方策 |
Can do型の評価基準を10月までに開発する。そして,10月からの授業の受講者,あるいは海外研修参加者に対象にして使用し,その有効性を検証する。授業の受講者に対しては,授業の開始直後と6ヶ月後の終了前に,海外研修参加者に対しては参加前と参加後に評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していた甲南大学への出張が,先方の都合により翌年度に持ち越しになったため,旅費に次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
翌年度に持ち越しになった出張の旅費として使用する。
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