研究課題/領域番号 |
25284104
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
石川 慎一郎 神戸大学, 国際コミュニケーションセンター, 教授 (90320994)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 学習者コーパス / 発話 / 音声 / 中間言語対照研究 |
研究概要 |
(実績概略)研究の初年度として,学習者発話を統制的に収集する新しいシステム(ASCS)と,学習者個人情報の保護のため,収集した音声を自動的に変換するシステム(ASMS)の開発準備を行い,あわせて,複数のアジア圏諸国においてデータの思考的収集に着手する。収集したデータは,本科研プロジェクトで構築を目指す世界最大級の英語学習者発話コーパス(ICNALE-Spoken)の一部となるものである。(※本研究にかかわる予備研究として,音声変換システムと音声・文字の連携的公開システム開発のための基礎的調査は進行中の別科研側で行う。2つのプロジェクトは有機的に連携させ,計画の効率的進捗を目指す。) (観点別実績)(1)統制的発話収集システム開発:試行と検証をふまえ,年度内に発話収集システムASCSが完成した。(2)予備的データ収集:データ収集対象国のうち,日本・英米・台湾・中国・フィリピン他において合計1000件以上のデータ収集が行われた。(3)音声加工システム開発:ピッチとフォルマンとを連続的に変化させ,元の音声ファイルの音調イメージを変化させる処理システムASMSの開発仕様が確定した。(4)書き起こしテキストデータ作成:試行的に収集したデータ1000件を対象に,文字書き起こしを行い,音声データと同時公開するシステム開発のための詳細スペックを決定した。(5)成果報告:イタリアで開催された国際辞書学会はじめ,内外の複数の学会で研究発表および論文発表を行い,成果の発信につとめた。また,科研プロジェクト専用のウェブページを開発・管理し,詳細な研究の進捗状況の公開と広報につとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)統制的発話収集システム開発:年度内に発話収集システムASCSを完成させ,実際のデータ収集に着手できたため。(2)予備的データ収集:データ収集対象国のうち,日本・英米・台湾・中国・フィリピン他において合計1000件以上のデータを収集できたため。(3)音声加工システム開発:元の音声ファイルの音調イメージを変化させる処理システムASMSの開発仕様が確定し,開発の最終準備作業に着手できたため。(4)書き起こしテキストデータ作成:試行的に収集したデータ1000件を対象に,文字書き起こしを行い,テキストデータを作成できたため。(5)成果報告:イタリアで開催された国際辞書学会,英語コーパス学会はじめ,内外の複数の学会で研究発表および論文発表を行い,一定の範囲でプロジェクト成果を発信できたため。また,科研プロジェクト専用のウェブページについて年度を通して一定量の情報公開を行えたため。
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今後の研究の推進方策 |
(1)統制的発話収集システム開発:発話収集システムASCSについては必要な微修正を加え,システムとしての完成度を上げる。(2)予備的データ収集:日本・英米・台湾・中国・フィリピンにおいては二次収集に着手し,あわせてそのほかの国について第1次データ収集に着手する。(3)音声加工システム開発:確定した開発仕様に基づき,実際に開発を行う。(4)書き起こしテキストデータ作成:新年度に新規に収集した音声データについて書き起こし作業を行う。(5)成果報告:内外の学会で研究発表・論文発表を行う。また,国際シンポジウムを開催し,プロジェクトの成果発表と関連研究者の交流促進への寄与を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度使用予定の金額のうち,翌年度に一部を繰越したが,これは,海外協力研究者に依頼して行っているデータ収集が,一部,当初の予定よりずれ込んだためである。繰越分は翌年度に執行の予定で全体の計画には変更は生じない。 新年度については,当初の年度配分予定額と,今年度から繰越しした金額一体的に執行予定である。全体の計画には変更は生じない。
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