研究課題/領域番号 |
25284108
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
中條 清美 日本大学, 生産工学部, 教授 (50261889)
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研究分担者 |
Anthony Laurence 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10258204)
田辺 和子 日本女子大学, 文学部, 教授 (60188357)
西垣 知佳子 千葉大学, 教育学部, 教授 (70265354)
水本 篤 関西大学, 外国語学部, 准教授 (80454768)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 英語教育 / 多言語教育 / コーパス / データ駆動型学習 / プラットフォーム |
研究実績の概要 |
本研究の主な目的は,多言語パラレルコーパスを活用したデータ駆動型学習(Data-Driven Learning: DDL)の普及に向けた先導的研究として,1. DDLオープンプラットフォームに搭載する4種の検索ツールの開発・改良,2.教育用例文コーパスSCoREの開発,3.DDL教材の開発・実践・効果検証,以上の3本柱の研究を実施し,成果を逐次,国内および世界に発信することを目的とする。平成27年度の研究実績は以下の通りである。 研究目的1(4種のツールの開発)について,そのうちの1種である教育用例文コーパスSCoRE第二次開発版を2015年9月に公開した。名称を「SCoRE(Sentence Corpus of Remedial English)」と改称した。第二次開発版は,ブラウザ機能に加えて,SCoREデータを検索・学習利用・ダウンロードできる「データ駆動型英語学習支援ツール」に進化した。さらに,SCoREデータを手軽にスマートフォンなどで検索可能なWebSCoREを追加開発した。 研究目的2(教育用例文コーパスの開発)については,SCoRE暫定版に新たに英文2,721文を追加し,人手による良質な3レベル(初級・中級・上級)の例文データ合計5,863文を日本語対訳とともに公開した。 研究目的3(DDL教材の開発・実践・効果検証)については,大学生向けに,開発した2種のツールを併用した「ダブルツールDDL」を実践した。並行して,茨城高専においてSCoRE第二次開発版の授業実践を行った。また,2004年から2012年までの学習者アンケート結果データに基づく学習者評価の尺度の作成を行い,DDL質問紙を開発し公開した。これにより,DDL学習者の特性をより深く,正確に調査することが可能になった。 研究成果として,雑誌論文を6件,図書3件を公刊し,9件の学会発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の目的1,2,3を計画通りに遂行した。具体的には,多言語教育に活用可能なコーパス検索ツールの開発・改良・公開,教育用例文コーパスの人手による開発と公開,DDL教材開発と指導実践および教育効果の検証を計画通りに実施した。さらに,研究成果の発信について,学会発表9件,論文発表6件を公刊した。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である28年度は,当初の計画に沿って,開発したコーパス検索ツールの授業実践での試用を継続し,試用結果のフィードバックに対応して改良を進め,より実用的な機能を追加実装していく。また,DDLの教育効果の検証研究を行う。例文コーパスの作成について,引き続き,人手による良質な3レベル(初級・中級・上級)の例文データを作成・蓄積・公開して,各学校段階でのDDL教材の作成に利用しやすいように改良していく。開発したツール,コーパス,教材,DDL支援教材等を搭載したオープンプラットフォームを開設する。以上の研究成果の発信について,国内・国際学会において口頭発表および論文発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者(日本女子大:田辺和子)が公務のため予定していた国内学会発表に出張できなかったことにより,分担金を平成27年度に使用しなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
研究分担者(日本女子大:田辺和子)は,平成27年度分担金と平成28年度分担金を合わせた研究費を,海外学会発表の出張旅費として使用する予定である。
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