| 研究課題/領域番号 |
25284113
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| 研究機関 | 東京大学 |
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研究代表者 |
松井 洋子 東京大学, 史料編纂所, 教授 (00181686)
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| 研究分担者 |
松方 冬子 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (80251479)
横山 伊徳 東京大学, 史料編纂所, 教授 (90143536)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 日蘭関係史料 / 東インド会社 / 出島商館 / オランダ貿易会社 / 中立国傭船 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、オランダ東インド会社（VOC）の解散前後、18世紀末から19世紀初めの転換期を中心に、出島時代の日本商館文書（NFJ）及び個人文書・他機関文書を対象として、多様な文書の性格の史料学的検討を通じ、日蘭関係史料群の構造とその変化、出島商館の存在形態と変容を考察すること、また目録情報・翻刻・翻訳等の研究資源化することを目的とする。2014年度は、
１NFJ文書：(1)商館長日記の欠落を補うため、1834年度及び1842年度の「報告書Verslag」の翻訳と検討を行った。(2)1744年から1794年の間の長崎奉行との往復文書を集めた簿冊の収録文書の年次別リストを完成した。(3)出島駐在者及び出島と関係する日本人、1752年の日蘭｢契約｣について、日本側史料も含め検討を行った。
２オランダ貿易会社（NHM）文書:(1)引き続き1857年以降の基幹史料として、本社文書中の日本支店の「営業報告書」に焦点を当て翻刻・分析を進めた。(2)対応する「日本代理店文書」についても検討が必要なことが判明したため、その目録作成に着手した。(3)NHMが債権をもつ津藩の専売制度について、三重県立総合博物館で関連史料を調査した。(横山)
３他機関・個人の所蔵文書:(1)引き続き、中立国傭船期関係史料についてピーボディ・エセックス博物館のフィリップス図書館の史料目録を検討した。(2)オランダに加え、イギリス、ポルトガルに於いて関連文書の所在可能性について調査した。(松方）(3)人間文化研究機構の「シーボルト父子関係資料をはじめとする前近代（19世紀）の日本で収集された資料についての基本的調査研究」と連携し、シーボルトの個人文書とNFJの文書から、1820年代の個人貿易についての論文を発表した。1817年から23年の商館長であったヤン・コック=ブロムホフの関連史料についても検討を行った。(松井)
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
翻刻・翻訳の必要な文書について、若手の協力者を指導しつつ作業をおこなっている。史料中の用語は単純な翻訳はできず、内容理解と並行して進める必要があるため時間もかかるが、着実に進行している。
一方、転換期の史料は定型化されておらず、前後の系譜を確認することが不可欠であるため、分担者各人の関心に基づいて対象とする史料の幅を広げ、文書の流れと商館の機能等に着目しつつ史料の分析を行った。
１９世紀の日本商館の活動については研究蓄積がほとんどなく、本研究での史料及びその内容についての情報蓄積が今後の研究を進展させる基礎になると考えている。
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| 今後の研究の推進方策 |
これまでの目録及び既蒐集史料の検討を踏まえ、2015年度に海外における史料調査を効率よくおこなう。
蓄積した史料情報・翻刻・翻訳について、研究資源として活用を可能とするため、できるものから順次公開を図る。また分担者各人の関心に基づく研究を進め、研究会等によって共有を図るとともに、論文等の形で発表してゆく。
個人文書については、必ずしもすべてが蒐集・情報公開に結びつかないものも存在する。史料的価値、所蔵者の意向等を考慮し、研究計画全体の中で必要な取捨選択を行なう。
最終年度には研究報告書を取りまとめることができるよう、準備を進める。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
海外における史料調査（ピーボディ・エセックス博物館フィリップス図書館）について、準備に万全を期すため執行を次年度にまわした。そのため、史料調査にかかる旅費、また史料複製を注文するための費用等に次年度使用額が生じた。
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| 次年度使用額の使用計画 |
2015年度中にピーボディ・エセックス博物館フィリップス図書館へ史料調査に出張することを予定している。
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