研究課題
本年度は研究計画の最終年度に当たり、16-17世紀の東アジア海域における海上貿易や,航海活動、地理認識などに関する史料調査、文献調査を続行するとともに、国際学会において学術報告を行い、また日本語・中国語・英語による研究論文を刊行し、4年間の研究成果を国際的に発信した。 本年度における主要な研究活動とその成果は下記の通りである。①ポルトガルにおける史料調査:2016年8月にポルトガル・リスボン市において史料調査を行い、主としてリスボン国立図書館において、16世紀ポルトガルの海域アジアでの貿易活動、アジアに関する地理認識や世界図作成などに関する史料や、研究文献の調査・収集を行った。②国際学会における学術報告:AAS-in-Asia Conference(Kyoto:Doshisha niversity)、「東亜視域下的海上交通及異域認知」国際学術研討会(江蘇省南京市)、「陸上絲綢之路的歴史今天和未来」国際学術論壇(甘粛省敦煌市)において学術報告を行い、また復旦大学歴史地理研究中心において二回の招待講演を行い、研究成果を発信した。③国内外における論文発表:『史淵』、『季風亜洲研究』、The Sea in History:The Medieval Worldなどの学術雑誌・論文集に、和文・中国文・英文の学術論文を発表した。以上の研究活動を通じて、ポルトガル語・漢籍・日本史料などを併用して、16世紀におけるポルトガル人の海域アジア進出と世界図作成、朝鮮半島への到達、および15-16世紀における琉球王国のマラッカ貿易の実態などを解明した。現在、4年間の研究成果を、特に15-16世紀のポルトガルの海域アジア進出と地理認識、琉球王国の南海貿易とポルトガルとの関係を中心にまとめ、専著として刊行する準備を進めている。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件)
鹿毛敏夫編『描かれたザビエルと戦国日本』
巻: 勉誠出版 ページ: 73-84頁
Michel Balard ed., The Medieval World (The Sea in History, Volume 2 ),
巻: Boydell & Brewer ページ: pp. 807-820
『史淵』
巻: 第154輯 ページ: 1-42頁
『伝統中国沿岸城市与近代東亜海上世界』
巻: 上海古籍出版社 ページ: 未定
『季風亜洲研究』
巻: 第2巻第1期 ページ: 39-55頁