研究課題
文献・考古・石造物の3研究班を設けているので、まずは各々について述べる。【文献班】9月16~18日に中尊寺にて調査を実施した。本科研では未調査であった棟札、経蔵落書、梵鐘銘、子院(地蔵院・瑠璃光院)所蔵文書の調査と撮影(拓本とり)を行った。これで中尊寺関係の中世史料は聖教類を除きすべて調査・撮影を終えたことになる。成果は、史料集として正式に出版する。なお、この間準備を進めてきた「平泉関係文献資料集成」は東北大学文学研究科日本史研究室のHPに掲載する。【考古班】10月6~9日に青森県平内町の白狐塚遺跡の発掘調査を実施した。経塚、しかも従来知られているうちでは最北端のそれと判断された。平泉藤原氏との関係、あるいは北海道との関係について議論を呼ぶことは間違いない。一方、考古班では、各地の考古学研究者の協力を得ながら「平泉関係遺跡集成」の作成に取り組んできたが、12月に完成し、DVDの形で多くの研究者に配付した。北海道・東北地方の12世紀を中心とする513遺跡が網羅されている。【石造物班】9月18日・19日に福島県磐梯町慧日寺跡所在の伝徳一廟石塔について、基礎石の確認と相輪の細部実測調査を行った。あわせて会津若松市、いわき市でも調査を実施した。10月21~25日には、平泉町内で資料化の遅れていた石造物について、実測、拓本等の作業を行った。3月には、これらを含め5年間の成果をまとめた報告書『平泉周辺石造物集成』を刊行した。石造物という視角から平泉を再考する研究基盤ができた。以上3班に分かれて実施した本科研の5年間にわたる活動の総括として、12月9・10日に、平泉町においてシンポジウム「平泉研究の最前線―資料学からのアプローチ―」を開催した。各班3本、計9本の報告を準備し、討論を行った。成果と課題を確認するとともに、一般市民にもひろく成果を還元した。参加者は約100名であった。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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一関市博物館研究紀要
巻: 21 ページ: 1-12
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巻: 2017年度 ページ: 4-10
元興寺文化財研究所研究報告
巻: 2017年度 ページ: 73-80
歴史と地理 日本史の研究
巻: 258 ページ: 51-54
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巻: 78 ページ: 17-36
ザ・グレイトブッダ・シンポジウム論集
巻: 15 ページ: 85-98