• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

戦時期朝鮮の政治・社会史に関する一次資料の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25284122
研究機関京都大学

研究代表者

水野 直樹  京都大学, 人文科学研究所, 教授 (40181903)

研究分担者 藤永 壮  大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (00247876)
宮本 正明  立教大学, 公私立大学の部局等, その他 (20370207)
金 慶南  法政大学, 付置研究所, 准教授 (20587357)
河 かおる  滋賀県立大学, 人間文化学部, 講師 (30316939)
松田 利彦  国際日本文化研究センター, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (50252408)
LEE Sung Yup  佛教大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50378882)
庵逧 由香  立命館大学, 文学部, 准教授 (70460714)
洪 宗郁  同志社大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80454487)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード植民地 / 朝鮮 / 戦時期 / 史料
研究実績の概要

日中戦争・アジア太平洋戦争期(1937~45年)の植民地朝鮮における支配政策とその実態、朝鮮社会の対応などを明らかにするための史料を調査・収集・整理することを目的に研究を進めた。前年度に続き、日本国内では国会図書館憲政資料室、外交史料館、防衛研究所のほか、山口県文書館、鶴岡市郷土資料館、佐野市立図書館など地方の資料館でも調査を行なった。韓国では、国史編纂委員会、国会記録院、高麗大学校亜細亜問題研究所のほか、嶺南大学校中央図書館、釜山市立市民図書館などで資料調査を実施した。
これらの調査にもとづいて、研究分担者が史料を分析・検討するとともに、それぞれのテーマについて研究発表を行なう研究会を9回開いた。また、韓国の研究者を招いてのワークショップ「「流言飛語」の時代―戦時期朝鮮社会の実像を探る」を開催して、韓国に所蔵されている史料を紹介しながら5名が研究発表を行ない、情報と意見の交換をした。
収集した史料のうち、重要とみなされるものは、Webサーバーにアップして研究分担者がいつでも閲覧できるようにしている。現在のところ、これは一般には公開していないが、研究期間終了までに解説を付して整理した上、公開したいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

関係史料を保存している日本と韓国の文書館・図書館で調査を進め、これまで知られていなかった史料を見出してはいるが、当初想定したほど多くの史料が保存されているわけではなく、史料の収集がかならずしも充分には進んでいない。

今後の研究の推進方策

日本と韓国の図書館・文書館での史料調査を進めるとともに、戦時期朝鮮における政治・社会・文化などに関わる基本的な史料を整理するという目的に沿って、既存の資料集やアジア歴史資料センターなどのデジタルアーカイブなどからも基本的な史料を収集することとする。収集した史料を検討し解説を付すとともに、データ入力作業を進めて史料アーカイブの構築を図ることとする。また、当該時期に書かれた史料が少ない戦時期の状況を知る上で有用な文献として、朝鮮半島から引き揚げた日本人が戦後書いた手記類があるので、それらをデータベース化して、多くの研究者が利用できるようにする。

次年度使用額が生じた理由

史料調査・収集のために国内・海外出張を計画していたが、該当する史料を所蔵している図書館・文書館がそれほど多くなく、出張を予定通り実施できなかった。また、データ入力のために謝金支払を予定していたが、依頼していた大学院生が体調不良のため入力作業をすることができなかったこともあり、使用計画どおりに進めることができなかった。

次年度使用額の使用計画

国内外の図書館・文書館での史料調査・収集を継続して進めながら、他方では既存の資料集やアジア歴史資料センターなどから重要な史料を選別・整理する。また、史料データの入力作業については、一定の知識を持つ者を雇用して作業を進捗させることとする。

  • 研究成果

    (27件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (21件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (4件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 「京城都市構想図」における景福宮域の再編計画案の立案時期とその特徴2015

    • 著者名/発表者名
      宮﨑涼子、徐東帝、西垣安比古、水野直樹
    • 雑誌名

      日本建築学会計画系論文集

      巻: 80巻707号 ページ: 193-201

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 朝鮮総督府初期の日本人官吏―形成過程・構造・心性2015

    • 著者名/発表者名
      松田利彦
    • 雑誌名

      東洋文化研究(学習院大学東洋文化研究所)

      巻: 17 ページ: 105-149

  • [雑誌論文] 敗戦直後の日本における植民地統治認識の形成―在外財産調査会設置までの時期を中心に2015

    • 著者名/発表者名
      宮本正明
    • 雑誌名

      学術会議報告集『敗戦後帰還日本人の記憶のダイナミズムと植民地・帝国意識』高麗大学校亜細亜問題研究所

      巻: 0 ページ: 2-31

  • [雑誌論文] 日本敗戦直後における朝鮮奨学会の改編と活動―1945~50年の時期を中心に2015

    • 著者名/発表者名
      宮本正明
    • 雑誌名

      立教学院史研究

      巻: 12 ページ: 2-31

  • [雑誌論文] 治安維持法による死刑判決―朝鮮における弾圧の実態2014

    • 著者名/発表者名
      水野直樹
    • 雑誌名

      治安維持法と現代

      巻: 29号 ページ: 83-95

  • [雑誌論文] 戦前期在日朝鮮人を描いた美術作品2014

    • 著者名/発表者名
      水野直樹
    • 雑誌名

      青岩大学校在日コリアン研究所編『在日コリアンの生活文化と変容』(ソニン、韓国語)

      巻: 0 ページ: 233-257

  • [雑誌論文] 反植民地主義歴史学から反歴史学へ―東アジアの「戦後歴史学」と 北朝鮮の歴史叙述―2014

    • 著者名/発表者名
      洪宗郁
    • 雑誌名

      歴史問題研究(韓国語)

      巻: 31 ページ: 67-102

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本学界の「帝国史」研究2014

    • 著者名/発表者名
      洪宗郁
    • 雑誌名

      歴史と現実(韓国語)

      巻: 93 ページ: 373-388

  • [雑誌論文] 周辺部の近代―南北朝鮮の植民地半封建論を再考する―2014

    • 著者名/発表者名
      洪宗郁
    • 雑誌名

      SAI(韓国語)

      巻: 17 ページ: 181-219

  • [雑誌論文] 帝国の植民地・占領地支配と `戦後補償‘記録の再認識-朝鮮の植民地支配・補償処理の決済構造と原本出所を中心に2014

    • 著者名/発表者名
      金慶南
    • 雑誌名

      記録学研究(韓国語)

      巻: 39 ページ: 281-318

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日帝強占初期における重役兼任制による政治・社会的ネットワークの形成2014

    • 著者名/発表者名
      金慶南
    • 雑誌名

      韓日関係史研究(韓国語)

      巻: 48 ページ: 255-312

  • [雑誌論文] 戦時体制期における重役兼任制を通じた資本家ネットワークと戦時動員体制2014

    • 著者名/発表者名
      金慶南
    • 雑誌名

      全北史学

      巻: 45 ページ: 249-298

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 滋賀県における朝鮮人強制動員の記録(3) ― 韓国における生存者の 聞き取り調査より2014

    • 著者名/発表者名
      河かおる
    • 雑誌名

      人間文化

      巻: 37 ページ: 51-54

  • [雑誌論文] 滋賀県における朝鮮人強制動員の記録(4) ― 韓国における生存者の 聞き取り調査より2014

    • 著者名/発表者名
      河かおる
    • 雑誌名

      人間文化

      巻: 38 ページ: 62-67

  • [雑誌論文] 朝鮮学校の最近の ‘変化’をめぐる諸問題2014

    • 著者名/発表者名
      松田利彦
    • 雑誌名

      青岩大学校在日コリアン研究所編『在日コリアンの生活文化と変容』(ソニン、韓国語)

      巻: 0 ページ: 105-133

  • [雑誌論文] 志賀潔と植民地朝鮮2014

    • 著者名/発表者名
      松田利彦
    • 雑誌名

      翰林日本学

      巻: 25 ページ: 5-31

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 韓国・済州からの渡日史―東回泉マウルの事例から―2014

    • 著者名/発表者名
      藤永壮、伊地知紀子、高正子
    • 雑誌名

      コリアン・スタディーズ

      巻: 2 ページ: 117-131

  • [雑誌論文] 「失われた二〇年」の「慰安婦」論争─終わらない植民地主義2014

    • 著者名/発表者名
      藤永壮
    • 雑誌名

      歴史学研究会・日本史研究会編『「慰安婦」問題を/から考える―軍事性暴力と 日常世界―』(岩波書店)

      巻: 0 ページ: 169-189

  • [雑誌論文] 日本国会図書館憲政資料室および公共文書館所蔵李王家関連文書の現況と研究2014

    • 著者名/発表者名
      李昇燁
    • 雑誌名

      藏書閣(韓国語)

      巻: 31 ページ: 80~106

  • [雑誌論文] 金達寿―日本敗戦直後における在日朝鮮人作家の役割2014

    • 著者名/発表者名
      宮本正明
    • 雑誌名

      『講座東アジアの知識人』(有志舎)

      巻: 5 ページ: 190-208

  • [雑誌論文] 第13代沈壽官と植民地朝鮮2014

    • 著者名/発表者名
      宮本正明
    • 雑誌名

      久留島浩・須田努・趙景達編『薩摩・朝鮮陶工村の400年』(岩波書店)

      巻: 0 ページ: 339-362

  • [学会発表] 日本における日本軍『慰安婦』問題の現況と課題2014

    • 著者名/発表者名
      庵逧由香
    • 学会等名
      2014年韓国社会学会大会シンポジウム
    • 発表場所
      中央大学校(ソウル)
    • 年月日
      2014-12-20
  • [学会発表] 境界地域における「国民統合」過程と人々の意識 ―日本とアジアを中心に―2014

    • 著者名/発表者名
      金慶
    • 学会等名
      法政大学大原社会問題研究所 国際公開シンポジウム
    • 発表場所
      法政大学市ヶ谷キャンパス
    • 年月日
      2014-11-29
  • [学会発表] 敗戦直後の日本における植民地統治認識の形成―在外財産調査会設置までの時期を中心に2014

    • 著者名/発表者名
      宮本正明
    • 学会等名
      高麗大学校現代日本センター国際学術会議「敗戦後帰還日本人の記憶のダイナミズムと植民地・帝国意識」
    • 発表場所
      高麗大学校(ソウル)
    • 年月日
      2014-11-21
  • [学会発表] 大阪における民族教育運動の現在―大阪府・大阪市補助金問題を中心に―2014

    • 著者名/発表者名
      藤永壯
    • 学会等名
      青巌大学校在日コリアン研究所第3回国際学術大会「在日コリアン運動と抵抗的アイデンティティ」
    • 発表場所
      青巌大学校(韓国・順天市)
    • 年月日
      2014-06-27
  • [図書] 在日朝鮮人 歴史と現在2015

    • 著者名/発表者名
      水野直樹、文京洙
    • 総ページ数
      259
    • 出版者
      岩波書店
  • [図書] 植民地裁判資料の活用 韓国法院記録保存所所蔵・日本統 治期朝鮮の民事判決文資料を用いて2015

    • 著者名/発表者名
      松田利彦、岡崎まゆみ
    • 総ページ数
      104
    • 出版者
      国際日本文化研究センター

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi