研究課題/領域番号 |
25284131
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
栗田 禎子 千葉大学, 文学部, 教授 (10225261)
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研究分担者 |
長澤 榮治 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00272493)
水島 多喜男 徳島大学, 大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 教授 (10219628)
阿久津 正幸 東京大学, 人文社会系研究科, 研究員 (10626188)
小林 春夫 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70242229)
鈴木 規夫 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (70271468)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 西アジア・イスラーム史 / 社会思想史 / 民衆運動史 / マルクス主義 / 世界史像 |
研究実績の概要 |
アラブ・イスラーム世界におけるマルクス主義の展開過程に関し、計画通り「運動」、「社会的・経済的背景」「哲学・思想」「歴史像」の4つのテーマを中心に、資料収集、現地調査、資料分析と意見交換のための研究会・勉強会を行ない、成果をあげることができた。 2015年度は計3回の全体研究会(2015年7月11日、10月17日、12月19日)開催を通じて研究分担者・研究協力者が一堂に会して意見交換・共通のテクストをめぐる意見交換を行なう機会を持ち、また「社会・経済」班は中国社会科学院西南アジア研究部門からの訪日団との研究会(12月22日.エネルギー経済研究所との共催)により中国の中東研究者との意見交換も実施した。 各研究分担者により、エジプト・カイロでの資料収集(2016年2月)、同じくカイロにおける調査・研究発表(2016年3月)が行なわれ、資料収集にとどまらず中東現地の研究者・機関との研究交流が深められた。さらに2015年12月には、プロジェクト・メンバー全体による中国(上海・蘭州)への調査旅行を行ない(組織者:「哲学班」代表:愛知大学鈴木規教授)、復旦大学(12月24日~27日)、蘭州大学(12月27日~29日)でのワークショップ参加や現地でのフィールド調査によって、中国におけるイスラームとマルクス主義の関係やイスラームのあり方に関して貴重な知見を得ることができた。 これらの成果を踏まえ、各研究分担者・協力者による論文・著作発表、学会参加や研究報告等も活発に行なわれている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
資史料収集および現地調査や、研究会・勉強会が、計画通り進展している。個々の研究分担者・研究協力者により関連テーマに関する論文執筆や研究報告が活発に行なわれているだけではなく、国際学会等の場で当プロジェクトの成果を発信する取り組みも行なわれ、特に2015年度は中国の研究者・研究機関との交流、チャネルの確立という大きな成果があった。
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今後の研究の推進方策 |
2013~2015年度の成果を踏まえ、引き続き当プロジェクトの成果を積極的に発信していく工夫を行なうと共に、最終年度としてのまとめの作業に入りたいと考えている。 具体的には、2015年度に中国(上海・蘭州)で行なった研究交流・ワークショップを引き継ぎ、さらに発展させる形で、2016年度は中東・アジア・欧米の研究者が共に参加するワークショップを日本国内および国外(連合王国もしくはエジプト・レバノンを検討)で開催することを計画している。こうしたワークショップの場における議論の成果を最終的には研究報告集として編集・刊行したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2015年度に実施した中国(上海・蘭州)への共同調査旅行の費用が、事前の予想より少なくて済んだため。(事前打ち合わせ等をメールで行なうことができたため、研究打ち合わせのための渡航費や招聘費等を支出せずに済んだ。)
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次年度使用額の使用計画 |
2016年度はプロジェクト最終年度にあたり、日本国内および国外での国際ワークショップ開催を計画しているので、開催準備費用に充てる予定である。
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