研究課題
本研究の最終年度にあたる平成28年度は、(1)研究成果報告を前倒しして論集『礫岩のようなヨーロッパ』(山川出版社)を刊行した。また(2)その成果をもって国内外の歴史学界に複合政体をめぐる総合的な議論を喚起すべく、以下のワークショップ・シンポジウムを開催した。①これまでの本研究の活動のなかで交流をもった海外の研究者をイギリス・ケンブリッジ大学に招聘し、国際ワークショップ"A Conglomerate Europe: Rethinking the Early Modern European States"(2016年8月17~18日)を開催した。②スペイン史学会とともに第38回スペイン史学会大会「スペイン近世国家像の再検討―カルロス1世即位500周年によせて―」(2016年10月30日)を共催し、地理的にイベロアメリカとヨーロッパを包括する視点から「礫岩のような政体」を議論した。③関西中世史研究会とともに公開シンポジウム「失われた鎖の輪を求めて~『礫岩のようなヨーロッパ』をめぐる対話」(2016年12月17日)を開催し、中世史と近代史とをつなぐ時間軸のなかに「礫岩のような政体」取り結ぶ秩序問題を議論した。④国内の日本史・東洋史研究者とともに、公開シンポジウム「今、歴史的ヨーロッパを問うこと:『礫岩のようなヨーロッパ』と世界史」(2017年3月29日)を開催し、日本史・東洋史・西洋史を架橋する歴史的問題として複合的な政治秩序を扱い、本研究が提示した「礫岩のような政体」論を各分野の視点から検証した。これらの作業を通じて本研究は、「王と政治共同体の統治」のような歴史的ヨーロッパに変動をもたらした政治社会の個性を見出すとともに、多元的な権力関係と権利意識を前提とした歴史的な主権概念の再考といった新たな問題を見いだすに至った。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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七隈史学
巻: 19 ページ: 1-11頁
文学部論叢
巻: 140 ページ: 45-68頁
西洋史学
巻: 260 ページ: 84-96頁
史苑
巻: 77巻1号 ページ: 96-107頁
史学雑誌
巻: 125巻5号 ページ: 358-362頁
http://conglomerate.labos.ac/ja/