研究課題/領域番号 |
25284148
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
森田 直子 立正大学, 文学部, 講師 (30452064)
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研究分担者 |
山根 徹也 横浜市立大学, その他の研究科, 准教授 (10315822)
西山 暁義 共立女子大学, 国際学部, 教授 (80348606)
辻 英史 法政大学, 人間環境学部, 准教授 (80422369)
今野 元 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (60444949)
小野寺 拓也 昭和女子大学, 人間文化学部, 講師 (20708193)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 国際研究者交流(ドイツ/ヨーロッパ) / 感情 / ドイツ近現代史 / 比較としての日本近現代史 |
研究概要 |
当該年度は、申請した研究プロジェクトの初年度であったことから、そもそも感情史とは何かという根本的な問いを、既存の関連文献などから学び取ることに重点を置いた。具体的には、ドイツにおける感情史研究の一大中心地であるベルリンのマックス・プランク教育研究所所長のウーテ・フレーヴェルトの最近の著書二冊(Vergaengliche Gefuehle, Goettingen 2013; Gefuehlspolitik. Friedrich II. als Herr ueber die Herzen?, Goettingen 2013)、同所研究員スヴェン・オリヴァー・ミュラーの『歴史と社会』誌所収の論文(Die Politik des Schweigens. Veraenderungen im Publikumsverhalten in der Mitte des 19. Jahrhunderts, 2012)、また、感情史研究の牽引役をつとめているアメリカの研究者ピーター・N・スターンズの初期の論文(Emotionology: Clarifying the History of Emotions and Emotional Standards, 1985)ならびにバーバラ・ローゼンウェインの論文(Problems and Methods in the History of Emotions, 2010)、さらには、日本の事例として、兵藤裕己『〈声〉の国民国家』(講談社学術文庫、2009)を取り上げ、批判的な検討を行った。 その一方で、11月末/12月初には、申請書にも研究協力者として名前を挙げたダグマー・エラーブロック(マックス・プランク教育研究所研究員)を招聘し、彼女自身の関心とからめた感情史研究のあり方と、より一般的な感情史研究の動向についてドイツ語と英語で講演してもらい、議論を行った。また、研究分担者各人のテーマについて、彼女のコメントを得ながら討論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者を含むメンバー2人が科研費の採択通知の届いた4月に新任として各大学に着任し、校務に予想以上の時間を取られたこと、また、分担者の1人はサバティカルで海外に出ていた(ただし、一時帰国の時期を利用し、日程調整を行って研究会には半分以上参加)こともあり、当初の計画通りに進まない部分があった。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度の研究成果を踏まえ、感情史研究の概観をドイツ近現代史研究の文脈に位置づけながら整理・紹介する動向論文を本年度中にメンバーで共同執筆する予定である。また、本年度は、ドイツ近現代史という枠組にこだわらず(あるいはその枠組の相対的な理解を促すために)、日本近現代史の研究者との対話をより積極的に行う機会を求めることとする。また、本年度も11月末~12月半に、ドイツから研究協力者を招聘し、講演会等を行うように調整を進めている。
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次年度の研究費の使用計画 |
申請時の計画では、初年度に海外の研究協力者を2人招聘して講演会を行う予定だったが、①研究計画上、最初に招聘するのがふさわしいと思われた研究協力者から、こちらのスケジュールにあわせての来日が難しいとの返事を得たこと、②一度に2人を招聘するより、1人だけを招聘し、ワークショップ形式でじっくりと討論できる場を持つべきであろうと考えたこと、以上の2つの理由から、海外からの招聘を1人にとどめた。その結果、旅費や謝金にやや多めの残額が生じた。 研究の性格上、海外(とくにドイツ、アメリカ、イギリス)からの書籍購入が不可欠であるが、円安の影響を受け、実質的な値上がりが続いているため、昨年度からの残額は、主にその補填のために使用する予定である。
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