研究課題/領域番号 |
25284163
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
伊藤 悟 金沢大学, 人間科学系, 教授 (20176332)
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研究分担者 |
鵜川 義弘 宮城教育大学, 環境教育実践センター, 教授 (20232803)
堤 純 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (90281766)
井田 仁康 筑波大学, 人間系, 教授 (20203086)
秋本 弘章 獨協大学, 経済学部, 教授 (90327015)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 地理教育 / AR / 地理情報システム / 環境教育 / 防災教育 / GIS |
研究概要 |
平成25年度は、AR(拡張現実)機能をもつ「教育用ユビキタス GIS」の整備に向けて、まずAR機能の可能性を探るため、それに関わる既存システムやアプリケーションの開発状況や課題を検討した結果、無料配信のARブラウザやコンテンツ絞り込み機能をもつシステムが学校教育で活用しやすく、また地理教育や環境・防災教育には位置情報に基づいて付加情報を提供するシステムが有用と判断できた。 次に、実際にAR技術を用いた地理教育用システムの試作を行った。試作システムでは教育利用を考慮して、スマートホンやタブレット端末により野外でも情報を軽快に閲覧できることとともに、様々な情報を教師や生徒が容易に書き込めることなどを特に考慮した。このため、野外で閲覧されるAR情報を選別する一方で、より詳しい情報は誰でも操作しやすいブログとの連携により収集・提供するものとした。 他方、学校現場における地理教育や環境・防災教育の授業について、同システムの活用方法を文献的検討や教育現場でのヒアリング等から検討することを通じて、同システム活用の意義等も考察にした。特に、様々な事象を生徒の目前に置きながら実行せざるをえないフィールドワークなどの野外授業では、AR機能の存在は特定の事象に絞り込んで学習を行うことができる点で有効であること、また地域学習のプロセスにおいてGISが分析や解釈に十分に活用されていない現状のなかで、ARとの組み合わせが、それを改善する可能性があることなどを指摘できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は、システムの試作やその教育利用の意義解明など、研究期間3か年にわたる全体の研究計画に、おおむね沿って進捗したためである。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、AR(拡張現実)機能をもつ「教育用ユビキタス GIS」システムの開発を押し進める。平成25年度はブログとの連携を図ったが、その他の機能についても検討、必要に応じて追加装備を試みる。 また、システムに搭載するコンテンツの整備も進める。金沢の伝統的まちなみをテーマにしたコンテンツ作成を平成25年度に着手したが、その一層の充実を図るとともに、他地域・他テーマについても素材を発掘する。 さらに、開発・整備したシステムやコンテンツを活用した実験授業を実施し、その効果や課題を考察する。まず、大学教育において実験授業を試行実施した上で、高等学校教育段階の地理教育や環境・防災教育で実践する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度におけるシステムの整備(試作)にあたっては、当面の処置としてシステム等への出費抑制ができたことなどが理由である。 平成26年度から本格化するシステム整備やコンテンツ開発、また、それらを利用した実験授業の実施、および海外の最新動向の調査などに使用する。
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