日本は歴史上、自然災害に加えて、飢饉、伝染病などの脅威により多くの犠牲者を出してきた。その実情を種々の歴史資料をもとに明らかにした。研究代表者の溝口は、全国で63カ寺を訪問し、過去帳の閲覧を行い、死亡者数の変化を考察した。地震・津波、飢饉に加えコレラに代表される伝染病で多数の幼児が犠牲になっていた。さらに、人災といえる第2次世界大戦での成年男子戦死者数の多さが目をひいた。 分担者の村山は、ヨーロッパに出かけチェコ最大の飢饉といわれる1770年から72年にかけての死亡記録の調査を行なった。同じく分担者の土屋は、東北地方の災害記録を収集し、復興に関して災害時の流通システムの合理化を提言した。
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