研究課題/領域番号 |
25285006
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
守屋 浩光 関西学院大学, 法学部, 教授 (00330530)
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研究分担者 |
谷口 昭 名城大学, 法学部, 教授 (20025159)
神保 文夫 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (20162828)
安竹 貴彦 大阪市立大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (20244626)
神崎 直美 城西大学, 経済学部, 准教授 (30348172)
高木 侃 専修大学, その他部局等, 非常勤嘱託 (40099198)
高塩 博 國學院大學, 法学部, 教授 (40236211)
小倉 宗 関西大学, 文学部, 准教授 (40602107)
坂本 忠久 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (60241931)
丸本 由美子 金沢大学, 法学系, 准教授 (60735439)
山中 至 熊本大学, その他の研究科, 名誉教授 (90167718)
牧田 勲 摂南大学, 法学部, 教授 (90209403)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 藩法 / 刑事裁判 / 刑罰 / 行政記録 / 判例集 / データベース / 大名権力 / 仕置 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、これまでの共同史料調査で得られた史料の翻刻作業に注力した。具体的には、研究協力者鎌田浩氏の協力を得て、熊本藩の刑事裁判史料の翻刻を行い、25万文字以上にわたる大量の史料翻刻成果を得た。また、研究協力者横山輝樹氏の協力を得て、長州藩の刑事裁判史料の翻刻も行った。 今回の科研費補助による共同研究は、史料データベースの公開および史料集・論文集の刊行という形で広く世に問う予定であるが、このうちデータベース公開および史料集刊行については、熊本藩および長州藩の部分で大きく進展した。両藩の刑事裁判史料は量的に膨大であり、その全部を翻刻・公開することは困難であるが、残された補助期間を有効に使って翻刻作業を継続して行い、部分的にでもその成果を公開する予定である。 また、各研究分担者においては、担当する地域の史料調査を精力的に行い、藩法史料の存在状況について成果を挙げた。その一部についてはそれぞれの所属研究機関の紀要あるいは著書等で報告されている。 史料データベースの公開については、研究分担者谷口昭(名城大学教授)のもとで構築作業が続けられており、盛岡藩、宇和島藩、長州藩、津山藩、対馬藩等の史料が公開準備が完了し、テスト段階として藩法研究会委員に閲覧可能な状態にしている。その後共同調査で史料を得た鳥取藩の史料群についても、所蔵機関である鳥取県立博物館の許諾を得、そのほか必要な手続きを済ませたうえ、藩法研究会ホームページ上で公開する準備を継続している。 本研究の大きなコンセプトである裁判史料と行政史料との比較・検討については、主たる題材とした鳥取藩の史料について、裁判史料および行政史料の編別構成および記載内容の比較を順次比較検討している段階であり、近日中にその概要部分について研究論文を公表する予定にしている。また、対馬藩史料についても同様の比較検討が可能ではないか研究中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今回の共同研究の目標の一つである、史料データベースの公開、および史料集の刊行という点で必要な刑事裁判史料の翻刻作業が、研究協力者の助力を得て大きく進展した。 とりわけ、熊本藩の刑事裁判史料については25万文字以上という大量の翻刻成果を得ることができ、また長州藩についても「温故便覧」および「典刑」の2史料についても平成27年度段階で20万文字以上の翻刻成果が得られた。 これらは、熊本藩、長州藩の裁判史料全体からするとまだ一部を翻刻したに過ぎないが、今回の科研費補助により研究協力者の協力を得て可能になった研究成果であり、それ以前に得られた成果と合わせて、史料データベースの公開および史料集公刊の際、重要なコンテンツとなる。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度も継続して研究協力者の協力を得つつ、協同史料調査によって得られた熊本藩および長州藩の刑事裁判史料の翻刻にあたる。長州藩については、研究協力者を増員し、よりいっそう翻刻作業の進展を図る。 また鳥取藩の裁判・行政史料については、総合の編別構成および個別の事件記事の比較を進める。始めに全体の構成を比較し、他藩における同様の史料との異同を検討する。そのため、必要があれば、現地の史料所蔵館を訪問しての調査も適宜行う。 さらに、研究成果の公開という点で、現段階までの調査成果を論文集として公刊するための準備も合わせて行うが、そのための研究代表者・研究分担者・研究協力者相互の連絡、打ち合わせもこれまで以上に密接に行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度の使用計画では、必要に応じて共同史料調査を行うことにしていたが、史料集の編纂に向けた史料翻刻作業に注力することにしたため、調査旅費が研究分担者個人で行うもののみになった。史料翻刻のための人件費・謝金は予定より増加したが、差し引きで次年度使用額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度は、共同史料調査に代わって史料翻刻に注力したため、史料集編纂のための作業が進展した。今年度も翻刻作業にかかる人件費・謝金にウェイトを置き、作業のよりいっそうの進展を図る。史料調査は基本的には研究分担者個人で行うものを中心とするが、特に共同研究の素材とすべき史料が発見された場合は、共同史料調査を行うこととする。
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