本研究は、グローバル化の進展に伴って、国際租税法分野において新たに登場した規範抵触の諸類型につき、抵触法的観点から体系的な検討を加えたものである。具体的には、近時その緊要度を増しつつある国際租税法上の課題として、[A]抵触法上の一般理論との整合性という観点から、①国家管轄権理論における課税管轄権の理論的位置付け、②租税法における準拠外国法の参照のあり方、という問題を、また、[B]グローバル化が齎した法的多元主義への抵触法的対応という観点から、③国際租税法秩序の変容、④国際投資協定と租税法体系の緊張関係という問題を設定し、これら4つの問題について研究を行った。
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